きもの専門店
そう謳うのは覚悟と精通が問われます
着物に関わり四十年と少し…
まだまだ学ぶことばかり…
きもの、って知れば知るほど知らないことばかりです

その多様さゆえに定義付けることの難しい更紗
古渡にはじまりペルシャ、フランス、イギリス、…
  バティックとして知られるジャワ更紗もありますが、日本の職人の手による和更紗の美は
やはり格別です
―唐草小花文―

暈したり、一層の斑も許さなかったり
澱みの様に堆積した手わざが意図して刷毛を捌く…
かのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさえ憬れた
日本の職人の筆捌き

染織作家の手から放たれた作品は
一つの花、一つの蝶、一つの鳥、に
生命が吹き込まれているのです 
添田敏子 ―白ぶどう―

もしかしたら
この小さなキモノ店は
アナタをドキドキさせることが
出来るかも知れません
どうぞ遊びにいらしてください 

水流の「季・とき」折々・・・

「季・とき」折々… 2016年 2月19日(金)



春水に

水占の文字

浮び出づ


林典子

雨月


「季・とき」折々… 2016年 2月19日(金)

■感覚


木が好きだ。革も好きだ。布が好きだ。 陶器が好き、木工が好き、版画が好きだ。
麻も好きだ。紬(絹)も好きだ。木綿が大好きだ。
生成りが好きで、草木染が好きで、藍染が好き。
染めも好きだし、織も好き。


蒐集するのも好きだけど、それを見てもらうのも好きなので
すぐに私の手から離れてゆく。それでいいのだ、それが仕事なのだから。
「うぅ~ん…、綺麗だ、見事に美しいね、この質感もなんだかすごいね…。」
なんて語らう時間が好き。
呉服屋さんになれるかもしらん、なんて<冗談で>褒めてくれる。
もちろん呉服屋さんの端くれなのだ。(笑)
お店でそんなことをお客様と話すひとときはほんとにタノシイ。

なんでこんなに布が好きなんだろう…。
いくら考えても明確な答えはない。在るのは原風景だけ…。
自分でもよくわからないけれど子どものころから友達の服の色、模様、質感を真剣に見ていた。
確実に違いも見分けていた。 例えばサージの生地の畝の太さの僅かな違い、毛羽立ち、
黒の色の違い、体操服の素材の違い、同じ綿でもあの子とこの子の綿は違う。
バスケットシューズのほんのわずかなデザインの違い…挙げればキリは無い。


同じ趣味趣向の誰かと布のことを語り合う時間を持ちたいけれどまったく趣味趣向の適わない誰かとお話しするのは正直しんどい。 自分が好きだと思えない布をどこかで売れてるからというオカシナ理由で取り扱ったこともなければそれがどんな布なのか見てみたい気も起らない。

だからあれもこれもと寄せ集めた総合展示会もしない。そもそも興味もない。 そうした業者の多くは着物や帯そのもの自体に興味を持っていない。 商材としてキモノを扱っているに過ぎない。売れるのか売れないのか。それ以上でも以下でもない。

利益が出ないと思えばやめてしまうし、利益の上がる品物(着物や帯、時には布団や宝石)を探すことにのみ情熱を燃やしている。 それも商売の一つの道かも知れない。 でも、私の好きな道じゃあない。 そしてそんなところが、着物業界の多くの先輩を尊敬出来ない大きな理由なのだ。
(もちろん、そんな人ばかりではありませんが。)


昨日お越しになられたお客様ともそんなお話をさせていただいた。 とても気の合う方で趣味もいい。こんなお客様との言葉のやり取りはほんとにタノシイ。 ついついお着物とは直截的に関係の無いことまでお話させて頂いた。


ときどきお話に出るけれど、弊店はお世辞にも立派な入れ物(建物)の呉服屋さんではない。お越し頂いたことのある方はご存じだけれど築40年以上にもなる長屋店舗の中の一軒だ。弊店の若いお歳のお客さまは生まれてもいない。
初めて来られたお客様は(お帰りになる時にすっかり仲良くなっているので)“こんなとこに”(笑)“こんないいものが”あるとは思わなった、と笑う。
私も、「それゆえ気おくれされることもなく、入り易かったでしょ。」とやり返す。 もちろん終始合わない方も居られます。 価値感(基準)が違うから仕方ない。 HPご覧頂けば想像出来ると思うけど紅白の衣装みたいな着物は置いてないって! あ、名前と品質の合致しない作品も置いてないよ。


画像は地機や高機ではないけれど、とても上質な網代が織られた石下結城紬/墨色 帯を引き立たせる黒子の様な一枚になりますね。※SOLDです。ありがとうございました。

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