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草木染手織り紬織物・下井紬/下井伸彦 薄物 夏/単衣



ひとの手で染められた糸は

その一本々々が百通り、千通りもの濃淡を保ちます

それぞれの濃淡が色の奥ゆき深みをつくり

下井紬の表情となるのです


草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦



■草木染手織り紬織物

下井紬/下井伸彦

薄物/春単衣〜夏〜秋単衣3シーズン



子どもの頃から布が好きでした。 親が買い与えてくれたものの一つに淡いベージュ地、淡いブルーとブラックチェリーの二色が格子状に織り出されたジャケットが…、子ども心にもそれがもう嫌で嫌で、…(その理由はひどく簡単なものでとても色目とデザインが洒落てて他の子と一目で違うのが分かり恥ずかしかったのとどこか中性的で、いやむしろ女の子の着る色に思えから、、。)今にして思えば、一つの意匠/designとして極めて素敵なものだった、と思うし、また鮮明に質感までも憶えてる。 …という私の記憶などどうでもよいのだけれど、この生地を目にした途端一つづつ灯りがともるように記憶が蘇ってきたのです。


一瞥しただけではそれとは気づかない。 でも目を近づけてみると、そのままその“布の質感”にいつの間にか惹き込まれてしまう。 淡く淡い亜麻色/あまいろの地にランダムに織りこまれた淡い淡い桑の実色(くわのみいろ)と勿忘草色(わすれなぐさいろ)のストライプ。 背景には薄日影のような小格子…。 一瞥しただけではわからない…、これみよがしのモノは作らない、下井伸彦さんのお人柄そのもののような格子織物です。 昔からそうなのですが、個性そのものが前面に押し出るようなもの、つまり色や柄、質感が悪目立ち、悪ふざけするようなものは一切作らない。 創り上げるものは、一見何気ないようにみえ、でもそれでいて近寄ると個性が上品に(上質に)際立つもの。 一度目を留めるとそのまま惹き込まれてしまう、、、そんな織物なのです。 言うまでもありませんが、下井紬固有の質感はそのままです、さらりとしながらもとろりと落ちるあの感覚、、。 糸をつくり、自生する草木から抽出する染料で糸を染め上げて織る。 一から十まで、つまり何から何まで下井さんが手掛けた一点ものの作品なのです。 


撮影をしながら作品の着物地を心ゆくまで堪能しました。 間違いなく着物地であるのだけれど、そうしたことを超越した織物の魅力を感じるものでした。 やわらかさや、静けさを感じる色調の中に、もしも、染織の神様が居るのだとしたら、神様が時折、、、気まぐれに桑の実色を差し込んだり、勿忘草色を吹き入れたりしたかのような、そんな織の表情が見えるのです。 不用意に身に纏えば、まるで相手にしてくれないようなやわらかな強さを感じる。 しゃんとした気持ちをもって纏わないと、着物負けしてしまいそうでもあるのです。 大袈裟に言いましたが、そう言ってしまいたいほど魅力に満ち溢れた着物地なのです。 もっと言えば尊厳に満ち、誇り在る。 とりわけ印象的なのは手織り紬織物固有生命感です。 当たり前ですが、布自体が言葉を持たない分、愁いに満ちたような存在感が私の気持ちを射抜くのです。


山々に自生する植物を染料とする。 自ら紡いだ糸に染め、反物を織り上げる。 文字にすればわずかにそれだけの事。 そのわずか一行にも満たない文字の中にこの下井紬のすべてがあるのです。 染織家下井伸彦さんの「染め/織る/職」のすべてが在る、と言い換えてもいいのかもしれません。 現代、染織におけるすべての工程を自分の手で整える染織家はそれほど多い訳ではありません。 そんな視点で捉えた下井さんは<視点を変えたとしても>稀有な染織家と言えるのかもしれません。 物創りのすべてを自らの手で整える理由とは。


結論を先に申し上げてしまえば、一切の妥協を拒む下井さんの人間性ゆえ。 もっと言うならば「染織」の「すべて」に「完璧」を求むる者の気質ゆえ…。 そこに尽きるのだと思います。 無論、それについて逆説が成り立つのか、と言えばそれはそうではありません。 染織家が染織の意に添う糸を外部から手に入れる。 そうした選択をしている染織家は少なくありません。 でもそれは安易に妥協している訳ではないのです。 むしろより高いクオリティを求めた結果。 加えて言えば織物の見栄えの優劣とは直截的に関係するものではないのです。 むしろ糸を作ること、糸を染めることはそれぞれ専門職に任せた方が良い場合はいくらでもある訳です。


草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦

草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦

草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦

草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦


ちょっとお話は逸れます。
染織とひとくちに言いますが、反対にひとくちに言えば染織とは何か…、(禅問答ではありません、笑)文字通りに解釈すれば染め、織ることに他なりません。 染織の原点は服地であれば服、着物地であれば着物、(帯地であれば帯)となることを想定して織られる実用品としての制作です。 現代の自動織機で制作するならば、すべてを均一に織り上げることは何の問題もありません。 品質の安定は100%以上、むしろ日本の場合はオーバークオリティーであるとも言われます。 当然ながらそれはそれで悪い事とは思いません。 こうした場合こそ過ぎたるは及ばざるより勝れり、である筈です。でも、もしも、そこに「ニュアンス」という要素が加わるとしたら…。


コチニール、すすき、梅など、草木から抽出した染められた糸の色が殊の外美しい織物です。 経にも緯糸にもつまみで真綿糸が織り込まれます。  草木から抽出された染料で染められた糸はその一本々々が百通り、千通りもの濃淡を保ちます。 そのため、織り上げられたそれは単色で織り上げられた織物には見えません。 一本々、それぞれの濃淡が、色の奥行、深みをつくり、草木染特有の表情と相俟って愁いを帯びた表情をつくっています。 染織作品に求められるものは必ずしも上述のような工場品質ではありません。 求められるものは無機質ではなく有機質、大量生産/大量消費ではなく、丁寧が尽くされたうえで生み出される上質…。 つまり、、、ひとの手がかかわった痕跡や伴う味わい…、 微妙なニュアンスや織り感…、 そうした数値では表し難いもの、、。 ともすればひどく曖昧に見える理の揺らぎなのではないでしょうか? 少なくとも寸分の誤差なく、整然と織り上げられる量産品が求められている訳では決してありません。 もっと言えばそこにJIS規格が求められているわけではないのです。


草木染手織り紬織物/下井紬/下井伸彦


無論、わざわざ言うまでもないことと思いますが、夏物/単衣モノとしてお仕立て頂く訳ですが、やわらかさとさらり感が相俟った極めて上質な着心地を味わい戴けます。 そしてこの下井紬が保つ特筆すべきもう一つの魅力は大人の女性にこその灰色ではないかと思います。 お品の撮影をするために床に置いたり、トルソーに着けたり、はたまた帯をコーデしてみたり、するのですが、その度に私がクラクラしてしまうのです。 もしも女性ならばいつか(出来ればすぐにでも)一枚くらい誂えてみてもいいんじゃないかと、そんな魔法にかかってしまうのでありました。

※画像はまだこの下にもございます。ご覧くださいませ。


【商品情報】

商品番号
T-SMT-034455
商品名
草木染手織り紬織物・下井紬/下井伸彦 薄物 夏/単衣
品質
絹100%
価格
¥269,200(表地/税込)
¥310,700(単衣仕立上げ/居敷当/税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約3週間〜25日戴いております。
【※お急ぎの方はお申し出ください。】
巾/ 長さ
38cm程(※約一尺程)/※13m程 (※約三丈四尺)
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紬織物

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草木染手織り紬織物・下井紬/下井伸彦 薄物 夏/単衣

価格:

269,200円 (税込)

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