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【片貝布八寸名古屋帯】 紺仁/松井佑介 格子/木綿糸100%
一見、とりわけてなにも特徴を有していない帯のように思われるのかもしれません。 でも、そう思わせてこちら…、その実そうではあちません。 表面的には一見「何気ない」帯を想わせますが、眺めていればいるほど どんよりと惹き込まれてしまうのです。 どんより…? なんだか可笑しな表現かもしれませんが、 つまり… 見た瞬間に「グッ、」とくる感覚ではないのです。 でも、何故か目が逸らせずに見つめている内に初めの印象は変わってしまうのです。 ひと目惚れするほど強い個性はありません。 一見は「ふぅん…」なのです。 ただ、そのまま、ふぅん…では終わらせてくれない訳です。 どんよりと惹き込まれてしまうのです。 どんよりが可笑しければ、じんわり…でしょうか? まるで月が満ちるかのようにいつのまにか惹き寄せられているのです。
こちらの帯は柳宗悦による民芸運動において「実用木綿の本来あるべき姿」とされる、片貝木綿の着物地で有名な紺仁のお品です。 手織りによる逸品です。 こうした帯を逸品と評することは本来あまり私の好みではないのですが、とても上質でありますので 意に反してそのような評とさせて頂きました。 気を奪われたのが口惜しくてそのように申し上げているのではありません。 言わせて頂けば、単なる「格子」の帯なのです。 言わば単なる木綿の格子の帯なのです。 つまり特別な文様がおこされた訳でもなく、精緻が織が尽くされている訳ではないのです。 その理由から逸品と評したくはなかったのですが、単なる木綿の格子の帯であるにもかかわらず、ここまでの質感を保った織物を織り上げられてしまうと 逸品と評さざるを得ないのです。 且つ商業の色濃い量販の商品とは異なるという点からもそう記さない訳にはいかないのです。
さてさて、こちら、三種類の太さの異なる糸を使い織られております。 丁寧の上に丁寧を重ねた手仕事で織り上げた帯地です。 上質な木綿特有の軽さとしっとりとした風合いを保っております。 こうした帯は実際にお使い頂きますととてもよく判るのですが、一見何気ない風情を醸しながらも 結城紬や大島紬、郡上や飯田紬といった極めて上質で高価とされる紬織物にお使い頂きましても帯の印象が着物に負けてしまうことはありません。 よくあるありきたりな無地感覚の帯や、単調な縞/格子の帯にありがちな「帯が着痩せして」貧弱な印象となってしまうことがありません。 それほど、「深みの在る美しさ」を保った帯なのです。 ただそれも芝生の感触を味わいたいと想えば、裸足にならなければ分からないのと同じように実際にこうした帯は締めて頂かないと私の申し上げていることは分からないのかもしれません。 味わってみてください。 必ずそれは感じて頂ける事なのです。 ご覧頂けますように必要以上に美しさを誇る帯ではありません。 でも、帯として一番大切な要素である、帯姿がことのほか美しく、且つ締め心地がことのほか心地よいのです。 良い帯だと思います。
参考に手織の飯田紬に適わせてみました。
商品番号 |
HST-HTT-012 |
商品名 |
片貝布八寸名古屋帯/紺仁・格子 |
品質 |
綿100% |
価格 |
¥77,500(表地/税込) ¥89,000(かがり仕立上/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸二分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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