月明り
閨に及びて
想ひ千々
本多正子
雨月
【別誂紬吉野間道/墨色】 墨色/黒ではない墨黒色
―吉野間道―
染められた糸の程よい墨黒色、程よい格子、手に取ったときのやわらかではあるけれど頼りないやわらかさではない絹布感を含んだ上質な織感。 量産される紬にありがちな余計な諂いなどない、紬愛好家が求める品質に、望んでいる以上の品質で応えてくれる紬です。 ひと目で美しいと思わせられる静謐な墨色の色相の中に織り上げられた吉野間道がさり気ない美しさを醸し出しています。 とは言え、よくある吉野間道、吉野格子にありがちな着るひとを寄せ付けない強さではありません。 でも、非凡では決してなく、むしろ確りとした個性を感じさせてくれます。 コーデ次第でたまらなく美しい着姿になるのはこんな紬なんですよね。
黒ではない黒、つまり、留袖のようなブラックフォーマルのような黒ではない黒、墨汁の墨のような黒、墨色です。 その墨黒の地色に美しく配された格子、そして効果的浮き沈みを繰り返す経糸、緯糸の絶妙なバランスがこの水墨を想わせる色の質をさらに美しく見せているのだと思います。 眺めていると経緯の糸の交差が格子の美しさを際立たせていることが分ります。 墨色の糸がまるで絣のように美しく交差してこの魅力的な吉野間道となっているのです。 使われた色彩は素朴で混ざり気のない純粋な色彩です。 とは言え単調な色目ではありません。 混ざり気の無いと記しましたが、実は様々な濃淡が混ざり合う事で表面的に“混ざり気を感じない”印象として目に見せているのです。 決して衒いを好むことのない、いかにも奥ゆかしい質が織り込まれているのです。
※余所行き感の参考に唐織錦/祝老松冠雪文様の袋帯、カジュアル感の参考に八寸名古屋帯/伝統工芸士本田利夫を適わせてみました。
商品番号 |
ITK-OOE-246 |
商品名 |
別誂紬吉野間道/墨色 |
品質 |
絹100%
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価格 |
¥139,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥181,000(単衣着物仕立上げ/居敷当付き/税込) ¥193,000(袷仕立上げ/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。
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巾/ 長さ |
1尺5分程(※39,5cm程)・長さ/3丈4尺程(※13m弱程) |
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