寸陰を
惜しむかに散る
谿紅葉
熊岡俊子
雨月
【手描友禅九寸名古屋帯】
―流水に紅葉―
着物や帯の模様に限るものでもないのですが、およそ文様という文様にはその意匠/デザインの元となる物、つまり「出典」と言うものが存在します。 たいていの場合、着物や帯はその「出典」を範として作品を創ります。(その範となる「出典」とは正倉院文様や有職文様、あるいは小袖や琳派などです。) それゆえでしょうか、その意匠/デザインはいつも“何かで見た”“どこかで見た”…、つまりすぐに思い出せなくても“記憶のどこかに在るもの”のような気がするのです。 でも、そうした中に在って“よく見かける意匠/デザイン”であるにもかかわらず「独創性」を思わせる染織が存在します。 ただ、有職が染められている、琳派が模してある、と言った印象が並ぶその中にどこか「突き抜けたような」ひと目を意識しない染色、ひとの目を魅了する意匠が在るのも事実なのです。
たとえば…、由緒ある正統を模していたとしても、それはただ単に「似たようなもの」でしかありません。 ひとを惹きつけるべきものは「意匠」だけではないのです。 なぞっただけではひとの目を奪うことは出来ないのです。 染色とはどれほどの質の仕事がそのものに施されているかに尽きるのです。 描かれた文様が何であったとしてもです。 染織工藝として極めて高い水準を保った過去の作品には、今尚文化遺産的な価値を有しているものもあります。 創意の限りが注がれ、丁寧な仕事が積み重ねられる事で、初めて創作はひとの心を魅了するのだと思います。 つまり…どれほどの美意識がその染織に込められているか、に尽きるのです。
植物たちがその生命を終え、いつの間に姿を変えゆく秋…、侘しさを景色に映すように色づく紅葉。 水の色、まさに水色に流れゆく川面にはらはらと舞い散る紅葉に私たち日本人は季節の移ろいを観てきました。 さてさて、こちらにご紹介させて頂いた「流水に紅葉」 極めて美しく丁寧な手描き友禅が施された九寸名古屋帯です。 表面の紗の生地に金泥、銀泥で紅葉が掛かれ、内の絹芯に流水が蚊か言染められた、という凝った友禅です。 そのため「画」には奥行きのようなものが生まれ、幽玄の美との表現が適う美しさを醸し出しています。 お仕立て上がり、実際に御使い頂きますと一枚の画としての美しさを実感して頂けるものと思います。 染料の深み、その深みから生み出される奥行き感、濃淡が感じさせる上質感… 選ばれた生地、染めの技法、そうしたすべてが一切の妥協なく尽くされてこの帯となったのです。 こちらは京都の誂え染色の専門職人の手によって制作された帯となります。 もちろん説明の必要のない名門の染め職人です。 しかし・・・、たとえそうであったとしてもすべてのお品が一定の品質を保っている訳ではありません。 腕の確かなとされる職人においても品質/仕事は様々です。 この帯に目を留められるひとには無用の言かも知れませんが、こちらの帯、下絵の質、染色の質、使われた生地の質、すべてにおいて申し分のない「染色品」としてここに在るのです。
※TPOですが、単衣から夏、つまり6月7月8月9月初旬、絽や紗の小紋、色無地、江戸小紋、軽い付け下げ、紗合わせ、などに御使い頂けるかと思います。
商品番号 |
ITS-NASO-04 |
商品名 |
手描き友禅/九寸名古屋帯 「流水に紅葉」 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥222,000 (表地/税込) ¥233,500(芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸二分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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