ご購入について
 

草木染手織り紬織物/飯田紬 宮嶋春子



吹き降りの

旅にありけり

藤の花


武井美代子

風土


飯田紬



■草木染め手織り紬織物

信州飯田紬

制作/宮嶋春子

「手おりの中の手おり」



こちらに掲載させて頂きました飯田紬にはこの言葉が決してお世辞にも上手とは言えない(失礼)筆文字で証紙に書かれています。 紬を専門に取り扱うきもの専門店の店主の私が見ても、そこに記された言葉通り、丁寧で手間暇の掛けられた“秀逸極る織り”が籠められている事が分ります。 むしろその品質を思えば、控え目とも感じられる表現に物足りなさを覚えるくらいです。 手織りの飯田紬、中でもとりわけ秀逸な織りと認められた作品には一点一点、手書きの証紙が添えられます。 そしてその作品の1点々にそれぞれ上述のように個別の評価文言が主宰の廣瀬さんの手によって記されるのです。


こうした草木染め、手織りの紬織物見ていると、ほっこりとした織りの温もりが醸し出す美しさにしばし時を忘れうっとりと魅入ってしまうことがあります。 友禅から感じられる雅やかな美しさとは感覚的にも視覚的にも異なります。 植物染料を用いて染められた“糸の色”のおだやかさ…、 そのやわらかな質感、温かみを感じる織…、 そう、様々な要素が折り重なるからこその美しさに唯々魅入ってしまうのです。 まさに紬織物としての美しさであり、ひとの“手”がつくり上げた一つの作品としての美しさを想わせてくれるのです。 産業として織られた量産品の紬織物とはその存在感は天と地ほど異なるものとなります。 一つのアート(芸術品)に近いと言えば言い過ぎでしょうか。 いえ、言い過ぎなどでは決してないと思うほどの質感を保っているのです。 


飯田紬 飯田紬 飯田紬 飯田紬


さてさてこちら、宮嶋春子さんの作品です。 表面的には単純な縞の織物と言えるのかもしれません。 でも眼を凝らして見てみると決して単純な縞の織物などではない事が分ります。 一見、単純な縞の「ように」見せていてその実、実に複雑な織が施されているのです。 灰黄緑(はいきみどり)色の細縞に添うように配された淡い藤鼠(ふじねず)の細縞、そしてランダムに打ち込まれる緯糸の節糸。 単純なようでいて複雑な仕掛けが見え隠れするのです。 要するに…、私のような素人がその細部に眼を向けたところでこの紬を織り上げた宮嶋春子さんの染織の技術に驚かされることはあったとしても、織りの美しさの本質に迫ることはかなわないのです。


そもそも、こうした手引きの真綿糸に草木染めを施すのはここに書くほどに容易なことではありません。 糸になにかしら植物の色を染めるということはその植物の生命の一部を移すということに他なりません。 たとえば地平線に沈みゆく夕陽の茜色を求めたとき、茜色に染まる空の色を脳裏に想い、積み重ねた経験値と思考によって想う植物からその「紅」を創りだしてゆくのです。 カラーチャートにはないのですから、始めは曖昧なぼんやりしたイメージなのかもしれません。 でも、こうした草木染めの手織り紬織物に求められているものはあくまでも人の作為ではないもの。 色見本帳にあるような既成の色ではないのです。 織り上げられた一反の織物にしか存在しない固有の色/自然の色が求められるのです。


もう少し付け加えますと、手引きされた糸も均一ではありません。 もとより均一を求めている訳でもありません。 均一を求めるのであれば大島のように生糸で良いのです。 しかし、たとえ曖昧な色であっても、均一性に欠ける糸であったとしても、美しさを表現してくれる。 また、その曖昧さは、むしろ手織りの紬織物にとって美しさを想わせえる上で重要な要素となることも多いのです。 商業/産業として織物を捉えている人からみれば、こうしたとりとめのないお話は酷くばかばかしい事と思われるのかもしれません。 でも商業/産業としてみれば間尺に適わず切り捨てられたとしても、合理性に欠けるのかもしれない様々な試みであったとしても、織り上げられた美しい織物を眼にすると、商業的なお話などどうでもよい事のように私には思えてしまうのです。 つまり…この紬織物を見ている私の眼に映っているのは染織としての美しさであり、織物としての尊さなのです。 それはもはや染織工藝という名の思想と言えるのかもしれません。


飯田紬 飯田紬 飯田紬


こうした手織りの紬織物は織り上げるまでに大変な労力/手間暇がかかり、現代の産業に照らして決して合理的と言えるものでは決してありません。 安価至上、コスト有りきで大量に生産され、大量に消費され、使い捨てられる…、 そうしたことを繰り返す現代社会の価値観からも遠く離れたものなのかもしれません。 しかし、織り上げられたこの紬織物は製品となったその瞬間から価値を減らし続けてゆく消耗品ではありません。 多くのモノのように時の経過とともに朽ち果ててゆくものでもありません。 むしろそれらのモノとは反対に時の経過とともに染色は彩りに深みを湛え、その織りはひとの身体に馴染んでくるのです。 そして誂えたひとの人生に芳醇な時間(とき)をもたらしてもくれるのです。 そしてそれは商業的につくられた産業製品からは決して得ることの出来ないものでもあるのです。


手織りの信州飯田紬、いつも想うことなのですが、一つの道を究めるとはこのようなことではないのか…と。 ある一つの事を究めるということ、それは決して派手な事ではありません。 むしろ地道とも形容される作業を繰り返すことによって成し遂げられる事ではないかと思います。 素晴らしい織物です。


【商品情報】

商品番号
KMR-IDT-001566
商品名
草木染手織り紬織物/飯田紬 宮嶋春子
品質
絹100%
価格
¥410,400 (表地/税込)
¥464,400 (芯仕立て上げ税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約2週間〜20日戴いております。
巾/ 長さ
38cm程(※約一尺程)/※12.5m程 (※およそ三丈三尺)
[お仕立てをご希望のお客さまへ]
カードでお支払いをご希望のお客さまで「お仕立て」をご希望されるお客様は
カード決済のお手続きの際にそのまま「反物」の価格にてお手続きをお願いいたします。
後ほど、弊店より「お仕立て」の有無のご確認をさせて頂きます。
ご了承頂きました後に「お仕立て代金込み」の金額に変更させて頂きます。

[現品事前確認をご希望のお客さまへ]
ご注文/ご購入に際して、現品を前もってご覧になられたい方は下記現品事前確認
についてを ご覧くださいませ。詳しい流れのご案内をさせて頂いております。


現品事前確認について

/当ホームページに記載されている記事・画像などの無断転載/複製を禁じます。
転載/掲載をご希望の際は予めその旨、お問合わせ戴き承認を得てください。
無断転載/複製と認められる場合、法的措置が講じられる事もあります。
Copyright(C)2008 きもの水流 All Rights Reserved

■お仕立につきましては仕立て料金表はこちら をご参照下さい。
または、お電話・メール・ファクスにてお尋ね下さいませ。

草木染手織り紬織物/飯田紬 宮嶋春子

価格:

410,400円 (税込)

[ポイント還元 4,104ポイント〜]
購入数:
この商品について問い合わせる
友達にメールですすめる

ページトップへ