冬瓜を食べ
前生を思ひ出す
田中藤穂
水瓶座
【手描き友禅/九寸名古屋帯】
―冬瓜― 塩瀬地
山出勝治作品
1942年
岐阜県美濃加茂市に生まれる
1967年
京都市立美術大学(現芸術大学)西洋画科卒業
1971年
養父・山出守二(染色工芸家)に師事し染色を始める
1993年
創工会展京都工芸賞受賞
1995年
「現代京都の工芸展」に選抜
1996年
「平成と次代を担う染色展」に選抜
1998年
京展市長賞受賞
1999年
創工会展知事賞受賞
2000年
京都工芸美術作家協会展奨励賞受賞
2001年
創工会展京都工芸賞受賞
2004年
創工会展京都工芸賞受賞
2005年
日工会会員賞受賞
世界ロウ染め会議ボストンに参加及び出展
ロウゾメマスタージャパンに出展(ボストン・ワシントンDC・シアトル巡回)
2006年/7年
イギリスでの「Batikの変遷-個展から現代-」に出展(ロンドン他7都市巡回)
「京都工芸美術作家協会会員」 「日展会友」 「日本工匠会(日工会)会員」
「創工会会員」
「冬瓜」と銘された手描き友禅の名古屋帯です。 銘のように冬瓜と銘にはない蟷螂が描かれています。 優れた腕が無ければ、静物を描くだけでこれだけの印象を出すことはかないません。 あくまでも私の個人的な見解の域を超えるものではないことをお断りした上で申し上げますが、手描き友禅は数多有る染色の中でもっともはんなりとしたやさしい印象を想わせる技法と言えるように思います。 こちらにご紹介させて頂きました手描き友禅はとりわけてはんなりやさしい印象、と言う訳ではありません。 むしろある種の潔さと洒脱な趣を想わせる出来栄えと言っても過言ではないと思います。 さらさらと描かれたようでいてその実手を掛けた痕跡を残している… 絵画的な一点ものの名古屋帯です。 あえて申し上げるまでもないかもしれませんが、工房作品ではなく日展作家/山出勝治さんご本人の手によって絞描き染められた極めて絵画的な作品です。
この帯を眺めていると、日本画にも通じる余白の美、余計なものを描きこまない潔さ、そしてそれを通じて感じる美しさを見ることが出来ます。 冬瓜の毛羽まで感じさせるかのような上のユーモラスな蟷螂の姿形、どこか可愛く、そしてユーモラスでもあり…、 何気ないけれど、心を打つ、見事な染色だと思います。
地色を一つとってみてもそれは分かります。 手仕事を極めた友禅の地色はたとえそれが淡い単彩であったとしてもそこに薄平たい印象は一切感じられません。 何層にも幾重にも染め色を引き重ねてこそ初めて浮かび上がる「重みのある淡さ」「質感のある淡彩」が生まれるのです。 友禅に力量がなければ、それはただ単に「薄い色」というだけでしかありません。 染色家自らの「目」が美しいと感じ、気が籠められた染めにのみ、時を経て見た時も「色褪せない魅力」が存在するのです。
※TPOですが、紬織物に適うのはもちろんなのですが、その他、御召織物/友禅小紋/江戸小紋などに御使い頂けるかと思います。 お色目ははんなりとした灰色です。 なんとも魅力的なお色目です。
商品番号 |
KWK-TGU-40 |
商品名 |
手描き友禅九寸名古屋帯/山出勝治作品 冬瓜 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥255,000 (表地/税込)→¥127,500
¥266,500 (芯仕立て上げ税込)→¥139,000 ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。
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巾/ 長さ |
お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸~八寸二分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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