イヤリング
素直にゆれて
花の中
吉野のぶ子
八重櫻
【型絵染九寸名古屋帯】
―白い花―
紬地
制作/岡田その子
ものの初めからこの作品の下絵が岡田その子さんの記憶のスケッチブックに在ったかのように形の異なる二つの白い花がぴしりとおさまっている。 彩色を変えオーダーする度にその余白の美に見惚れてしまいます。 淡い菜の花色に微かに鶸色を加えたかのような、言わば二つの黄色系と黄緑系を交ぜたようなある種の「調和」を感じさせてくれる彩色は寒さの中にどこか春の訪れを想わせてくれるかのようです。
単純と言ってしまえば単純な意匠です。 裏返せばそれはこれ以上何も必要がないほどに完成されている訳です。 帯となり、締めた同時にすべてが「すっ、」と決まってくれるかのよう…。 お願いして染めて頂いたこの帯を目にした一瞬、完璧!…、と言えばそれは少し言い過ぎになりますが、緑は澄みきっているようで、でも常緑の緑を印象も残している、それでいてどこか仄かな温かみも感じるのです。 凍るような空気の中になにか春に向かう温もりを想わせてくれます。
一見、和を想わせる彩色、水彩画のようなのですが、なぜかこの帯から日本的な印象を受けることは少ないような気がします。 どこか西洋的な印象を想わせるのです。 西洋でも西欧ではありません。 北欧でも南欧でもない、それは東欧のどこか…、日本から遠く離れた地、訪れた事もない筈の異国の情景を想わせるのです。 東欧の冷気を含む張り詰めた空気感の中に春の訪れを予感させるような…、そんな感じがするのです。 地色とされた菜の花色にほんの僅かに滲み含んだ儚さがそう感じさせるのかも知れません。
制作者である岡田その子さんの想いがどこにあったのか、私には分かりません。でも、この帯を眺めていると敢えてそれを解き明かしたい気持ちにはならないのです。 何故ならこの帯からなんとなく伝わってくる異国の情景、その情景に想いを馳せるだけで充分にこの帯を愉しむ事が出来るから。 こうした作品を見ていていつも思い、折々にさせて頂くお話があります。 「作品」と言うものは、それ自体が言葉を発する訳ではありません。(当たり前ですね、布が言葉を話したらびっくりします。 いや、もしか布同士はお話をしているのかも…笑) もちろん、あれこれと自らを解説する訳でもない。 それなのに確実にこうして美しさは伝わって来る…、 見る者の目、と言うフィルターを通して心の中に入り込んで来るのです。 それが美しさを感じるという事なのかも知れません。 つまり、美しさとは見る者の心が啓かれていれば確実に感じられるものなのです。
こうした作品性のある帯ですが、それだからと言って何か特別な着物にしか適わないということは決してありません。 色目で言えば藍色、淡藍色、紺色、薄紫色、灰色、砂色、サンドベージュ、から朽葉色のような茶系の紬なんかに適わせてみたらいかがでしょうか。 素材で言えば紬織物、綿織物、御召などにとても素敵な寄り添いを見せてくれる筈です。 そしてそれはあくまでも使い手の感性で愉しむもの… つまりこの帯をお使いになる方の装いの感性/センスが何よりも優先されるものだと思います。 弊店では毎年ご好評を頂いております丹後木綿とコーディネートをしてみました。 これもまた素敵ではないでしょうか。
商品番号 |
OKS-NSH-6788 |
商品名 |
型絵染九寸名古屋帯/岡田その子 白い花 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥200,000 (表地/税込) ¥211,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸~八寸二分程。/ 長さは九尺六寸~八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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