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型絵染九寸名古屋帯/稲嶺杏子作品 木の葉模様



蟷螂と

生れ斧を振る

ほかはなき


山田夏子

雨月


名古屋帯



■型絵染め/九寸名古屋帯


国画会 
稲嶺杏子作品 
銘/木葉模様
紬地



美しい染めですね…。 先ほどからこの作品にどのような解説を書こうかと、一頻り眺めているのですが、見れば見る程に作品に見入ってしまい、遅々として筆が(キー)進まないのです。 作品をご紹介するという呉服商の一主人としての視点ではなく、唯ひとりの愛好家として惹き込まれてしまうのです。 帯地であることに違いありませんし、それ以上のものでももちろんありません。 着物に関心を持たれない方にとっては所詮単なる裂地でしかないのです。 加えて申し上げれば複雑精緻な織が施された織物でもありません。 細密な刺繍が奢られている訳でもなく、手描きの友禅が掛けられているのでもないのです。


この帯地を創作されたのは国画会に籍をおく稲嶺杏子さん。 この制作者の出身は沖縄です。稲嶺さんは生まれ育った沖縄で紅型友禅に携わっている訳ではありません。 東京で独自の型絵染めを制作されているのです。 内地の人間が琉球染織に憬れて沖縄に渡り住み、終の棲家とし、紅型に没頭する。よく聞くお話です。 でも、稲嶺氏は生を受けた沖縄からわざわざ離れ、紅型友禅の復興の礎を築いた芹沢げ陲忙媚、紅型友禅の基礎を学ばれ、独自の型絵染めの世界を構築されたのです。 そうした背景からでしょうか。 どこかしら琉球染色の派生を感じられるのです。 唯もし、稲嶺さんにそれを尋ねたとしたら、また違ったお話を聞くことが出来るのかも知れません。


さてさて…、こちらの作品に関心を持たれる方にとってそのようなことはどちらでもよい事なのかもしれません。 実際に私自身、背景や経緯にとりわけ関心がある訳ではないのです。 この作品が保つ存在感そのものに惹かれているだけなのです。 もちろんこちらの帯が、稲嶺杏子さんが手掛けた作品として評価されることも否定はしません。 そうした評価の仕方があることも承知しています。 しかし、いつも申し上げますように先入観を持つことを好まない私にとって、誰々作はとりわけ深い意味を持つ訳ではなく、やはりあくまでも単なる一つのデータやスペック以上のものとはなりえないのです。 以前、着物関連の書籍の中でこの様な件を読んだことがあります。 喜如嘉の芭蕉布を織る平敏子さんの言葉なのですが、“私は自分の織ったものに落款は捺さない、その理由は私は私の名前を買って欲しいとは思わないから…”というような言葉だったかと記憶しています。(※現在では織物商からの依頼品には要望により落款を捺されているようですが。)


名古屋帯


名古屋帯


名古屋帯


名古屋帯


名古屋帯


型絵染めにて描かれているのは木の葉とカマキリです。 ご覧戴けますように写実的なものではありません。 制作者である稲嶺杏子さんの感性によって描かれているのです。 つまり、制作者の主観で捉えた風景の一部を切り取ったものなのです。 ありのままの情景をそのまま表現するのではなく、稲嶺杏子さんが観察し、感性と言うキャンバスに映り込んだ情景が描かれているのです。 感じ取ったままに記憶し、想うままに下絵を描き、染織としているのです。 九寸と言う帯巾を使って表現された“絵”は植物や昆虫の生命力に溢れています。 優しげな“絵”では決してありません。 見る者に何か力強く問いかけるような作品力に満ちているようです。 こうした稚拙な解説などは陳腐に思えてしまう程、言葉などでは尽くせない表現力をもって伝わってくるようです。 それはこの制作者のこれまでの長い染色の時間の堆積から自然に生み出される巧みな染色の技術、そして対象物を捉える感性からもたらされるものなのです。 極めて特徴的な感性と視点、そしてそれを表現するデッサン力、そのすべてが相俟って作品として現出しているのです。 


名古屋帯


名古屋帯


名古屋帯



いろいろと拙いことを書き連ねて参りましたが、やはり、私の解説ではこの作品の魅力のすべてを引き出すことは叶わないようです。 稲嶺杏子さんという染織作家の創意の籠められた「作品」は、実際に手に取って感じて頂くことが間違いなくその魅力に触れて頂ける方法であると思います。 その作品の魅力は単に「帯地」という限定された枠に留まるものではなく、一つの「絵」としての魅力であると言っても過言ではありません。 心が揺さぶられる作品、見る者を惹き込んでしまう力、そして可笑しな表現なのかもしれませんが、制作者である稲嶺杏子さんの「人間としての素朴」が感じられる、そんな染色作品であると思います。  結城紬や郡上紬などの力のある紬などの適わせて頂きますととても魅力的なコーディネートとなると思います。


【商品情報】

商品番号
OTI-NAKA-066
商品名
型絵染九寸名古屋帯/稲嶺杏子作品 木の葉模様
品質
絹100%
価格
¥453,000 (表地/税込)
¥464,500 (芯仕立て上げ税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約2週間〜20日戴いております。
巾/ 長さ
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸〜八寸二分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。
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名古屋帯


名古屋帯


名古屋帯

型絵染九寸名古屋帯/稲嶺杏子作品 木の葉模様

価格:

453,000円 (税込)

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