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高久尚子作品「石楠花」「椿」

「季・とき」折々


高久尚子作品
蝋纈染/石献花(しゃくなげ)椿
塩瀬地


現代工芸美術家協会に籍を置く染織作家の高久尚子さん、制作されるのは蝋纈染めの作品です。 画像やお名前から、はて、もしや?、と思われた方も居られるかも知れません。 そう、高久尚子さんは日展会員であられた故高久空木(たかくくうぼく)さんの娘さんです。(※あられた、と書きましたのは、自身の制作理念と日展の測りの大きな溝を埋められず、自ら退会されたから、と聞いています。)


お父様である高久空木さんは稲葉村(現壬生町)のお生まれです。 蝋纈染めで染め描き上げられる絵画的な作風は、ピカソの影響も大きいと後に述べられています。 新文展では「南瓜紋染二曲屏風」が当時の最高賞である特選を受賞されました。 他に染色壁面装飾「大いなるメロン」という代表作があります。 後年、淡い単色(ほとんどが白いキャンバス)の地に花鳥を描くといった帯の染色に力を注ぎ、帯の空木と称されました。


さてさて、、、蝋纈染めと一口にいっても様々な種類がありますが、高久さんの作品は蝋で堰を作ってその中をを彩色する堰出し(せきだし)の技法で染められています。 ゴム糸目で防染する友禅よりもやわらかで自然な滲みが特徴です。

蝋纈染めに使われる蝋にはカルナバ蝋、ステェアリン酸、木蝋や蜜蝋など、色々な蝋があります。 これは制作の方法や、求める染め上がりの表情によって使い分けられます。 また、染める時の温度や湿度、筆使いの速い、遅いで染めの表情/ニュアンスが違ってきます。
つまりは経験と熟練の技が必要とされるのです。


それにしても・・・見事な蝋の使い方、、そして儚さを憶えるような繊細極む染め・・・華奢な肩にはずしりと重い、父空木氏の名を近々に襲名されるそうですが、空木さんに勝るとも劣ることのない筆使い・・・ 秀逸としか表現しようがありませんし、その名に値する腕だと思います。 見事に美しい染め・・・これほどの蝋纈染が、アンティークやビンテージなどでなく、現行品として購入する事が出来る・・・なんとも素晴らしいことです。


文責/足立浩一

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