きもの専門店
そう謳うのは覚悟と精通が問われます
着物に関わり四十年と少し…
まだまだ学ぶことばかり…
きもの、って知れば知るほど知らないことばかりです

その多様さゆえに定義付けることの難しい更紗
古渡にはじまりペルシャ、フランス、イギリス、…
  バティックとして知られるジャワ更紗もありますが、日本の職人の手による和更紗の美は
やはり格別です
―唐草小花文―

暈したり、一層の斑も許さなかったり
澱みの様に堆積した手わざが意図して刷毛を捌く…
かのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさえ憬れた
日本の職人の筆捌き

染織作家の手から放たれた作品は
一つの花、一つの蝶、一つの鳥、に
生命が吹き込まれているのです 
添田敏子 ―白ぶどう―

もしかしたら
この小さなキモノ店は
アナタをドキドキさせることが
出来るかも知れません
どうぞ遊びにいらしてください 

水流の「季・とき」折々・・・

「季・とき」折々… 2016年 5月31日(火)

「季・とき」折々… 2016年 5月31日(火)

ちょっとづつ、ちょっとづつ、面倒がらずにすること。 その積み重ね、それが仕事。 仕事ってそうゆうこと。 やっつけ仕事、こなし仕事は仕事とは言わない。 それはただ単に作業。 料理でも同じ。 たとえばグラタン、 先ずはルーを作るところから。 ソースパンにバターを溶かし薄力粉をちょっとづつ、ちょっとづつ、ダマにならないように入れて混ぜる。 コソコソ?カサカサ?、ってなってきたらほんとはオーブンで焼いて粉臭さを飛ばしたいけど、自宅料理のレベルでは割愛しても可。 ルーの完成です

次に別に温めておいた牛乳でルーをちょっとづつ伸ばしていきます。 面倒で力も根気も要るけれど少しづつ、少しづつ。 木じゃくしでソースを持ち上げてみて、「ぼっとぉ~~~っ、」て緩やかに流れ落ちるくらいのやわらかさになるまで伸ばす。 これでベシャメルソースの完成です(ほんとは布で漉したいけどま、これも割愛) お店屋さんはダメですよ、ちゃんと漉しましょう。

で…、

もう、むっちゃ端折ってますか…、 別の鍋でバターソテーしておいたオニオン、マッシュ、海老、マカロニなど好みの具を出来上がったベシャメルソースに入れる。 塩、コショウ(白)、ナツメグで軽く味を調えます。(仕上げに粉チーズをふるので塩はその分控えます)

と、これでグラタンそのものは出来上がりです。

肝心なのはここから

すぐに食べるなら、グラタン皿にバターを塗ってグラタンを流し込む~チーズパン粉を上からパラパラしてオーブンへ、コンガリ焼き色がつけばお召し上がり~で、いいんだけれど、

たとえば、仕込んだけれど食べるのは明日とか、、。 朝作って食べるのは夜~とか、少し時間が先の場合。 その時は冷めるときに飛ぶ水分をあらかじめ考慮して全量の6~7%の牛乳を余分に入れて少しやわらかめに仕上げておく。

(次に温めるときにその方が楽だし失敗がないし、味に丸みも)

その他、たとえば、一時間くらいあとに食べるのなら、、、グラタン皿に入れて表面に溶かしバターを塗っておくと表面が乾かないし、水分の蒸発も少なめで済む、レンジなどでチンするならば、このときもあらかじめほんの少しやわらかめに牛乳で調整しておく。

等々、こんなふうに細やかな配慮が料理を更に美味しくするのです

で、… 基本キモノも同じこと。

たとえば寸法の出し方も細やかな配慮が要るのです。 痩せたひと、ふくよかなひと、では様々な注意が必要です。 (※もちろん、寸法が違うのは当たり前です)お話しているのは、衿肩開きや衽下がり、衽巾等々の微調整。 なんだかキモノが着づらいんだけど見て頂ける~とか、そんなご相談で持ち込まれるキモノのほとんど(全部)そうした調整がしてありません。 全部一律寸法…。 そりゃあ着づらいわけです。 肩の厚み、首の太さ、首の長さ、百人百様なのだから、その人に適わせた採寸しなきゃ着易い筈はありません

裄の取り方も同様。 ストンとした落ち感のある素材(たとえば綸子なんてストンストンしますね)もう肩から一直線に下に(手首側に)落ちるのです。 反対に木綿や真綿系の紬、こちらは落ち感はあまりありません。 つまり手首側に落ちにくいのです。 そうゆうところはただ漠然と寸法を出していたのではダメなのです。 素材をよく見て微調整しないと、ね。

寸法の数字はあくまでも数字、数字=同じ着姿にはならない。 素材の性質をアタマに入れてかからないとダメ。 もちろん扱った経験値も大きくものを言いますが、ただやっつけ仕事のように数だけこなしてもただただ固いアタマがどんどんどんどん固くなるだけでもあります。 要はひとつひとつにどれだけ真剣に考えているか、、、です。 書きだすと際限のないお話なのでこの辺りにしますが、こうした細かい、一見面倒な事、でもそれが着姿に差が出ることを知って、微調整し、細かく且つ確実に反映させるのが<プロの>仕事、お金を頂戴する仕事なのです。

※写真は仕立て上がってきた着物です。仕立て伝票には和裁士が「うんざり~」と泣く。細かな指示がしてあります。 

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