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手織り紬織物/青墨無地着尺 制作/下井伸彦 NEW



カンバスは

果しなきなり

冬の空


早崎泰江

あを


手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品



■手織り紬織物

美しい手織り/黄無地着尺

制作/下井伸彦



魂から零れ溢れる創意までも糸に映し、裂(生地)とした形にする…。 余剰な創意もすべて糸に映し、裂として形を整える。 余剰な創意はバリを除くようにしてかたち整えることは出来るけれど、「無意」からは何も生み出されることはありません。 更に言えば浅薄な計りから魂を無理に引き出すことも当然出来ないのです。 それは染織に限るものではないけれど、そもそも余剰を内なる魂に秘めているものだけが、試行錯誤の末に凛と張り詰めた織物を創出することが出来るのです。 その意味において下井伸彦さんは余剰な魂を極めて美しく制御することが出来る稀有で純粋な染織家なのかもしれません。


こうした手織りの織物は織り手となる制作者の人間性が内包されるものです。 それは制作者の思想と密接に関わり絡み合っています。 紬を愛好する者に退屈する暇も与えず、そして常に変化し続けているのです。 美しさに向き合う感覚、つまり美意識は人それぞれのもの、制作者である下井伸彦さんの美意識も常に変化してゆきます。 それゆえなのでしょう、多くの優れた染織家の意識には美とは何々である、という連綿確立した定義がない(と感じる)のです。 いまこの時、美しいと感じるものが美しいのです。 敢えて代弁するなら、染織家の美意識とは時の経過によって朽ち果てるものでは決してなく、時の経過と共に美しさを変化させるもの、いまこの時しか光を放たないものではなく、永続的な美を創造することそのものが美意識なのだと思います。


さて、工藝染織家が織り上げる作品は一見高価に思われるかもしれません。 無地の紬であれば当然もっと安価なものもあります。(こちらの作品は無地ではありませんが。) でも特別の糸が使われ、ありとあらゆる細部にまで制作者の魂が織り込まれた結果としてそうなるのです。 下井伸彦さんはきもの愛好家(のみならず、優れた美意識を保つ人)の価値観に訴える作品を創りたいのではなく、自己の審美眼に適う作品を創りたいのだと思います。 下手な解説などなくても絹布を見れば下井伸彦さんの人間性までもが分かるのです。 そう、下井伸彦さんの美意識、創意は全て、絹布の中にあるのです。


手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品


手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品


手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品


さてこちら、染織家/下井伸彦さんの手による作品です。 作品は「網代崩し青墨無地着尺」。 以前の作品の白糸の滝のような縞、ランダムな格子と比してなんとも素気ないことこの上ない(笑)…、と一瞬そう見えますが、その実細かな網代を崩し織で表現した手の込んだ手織り紬織物です。 下井伸彦さんの内なる魂によって自由な意思が織り上げたのか、類稀なる遺伝子が織り上げたのか、それは私には判りません。


この紬織物を眺めていると類稀なる遺伝子が自由な意思を操り織り上げたとしか思えないほどの魅力を感じるのです。 類稀なる遺伝子とはつまり「感」です。 音感、リズム感と同様、指先感とでも言えば良いのでしょうか。 優れた音楽家に絶対的な音感が在るように優れた染織家には絶対的な触感が在るのだと思います。 草木を見て瞬く間に色を創り、糸に触れ織り感を創る、機に坐り緯糸の杼を投げる度にリズムを刻み、機音を奏でるのです。 画像で見るだけでは黒色の紬織物にしか過ぎないかもしれません。 でも、オーケストラが奏でる一つの音が実際は様々な楽器混成によるもの、同じように微妙に異なる幾つもの諧調の糸が複雑に積層することによってこの織物は組成されているのです。


こちらの作品を観ていて思います。 制作にあたり、下井伸彦さんが徹底的に拘ったのはこの青墨色なのではないかと思います。 目にするそれは水墨画や書の墨のようでもあり、冬の夜の空のようでもあります。 下井さんはどこまでも深い漆黒の夜空そのものを絹布に移し取りたかったのではないでしょうか。 誰でも幼い日の記憶にあるかもしれません。 冷たい空気に頬を撫でられながら見上げた信州の夜空の澄んだ墨色を…。


手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品


手に取ればすぐにわかるのですが、こちらの紬織物は極めてやわらかな質感/触感を保ちます。 唯、やわらかではありますが、それは頼りないやわらかさではありません。 上手く表現出来ず申し訳ないのですが、言わばさらりとした中にしっとりとした厚みを感じるかのようなやわらかさです。 こうした触感を保つ紬織物は極上の着心地を想わせてくれます。 また実際に着物にお仕立てをしてお召頂きますと、私のその言葉になるほど、頷いて頂けると思います。 作者は「黒無地着尺」と称してますが、決して無地であるとは思いません。 染織家の想いを幾層にも幾層にも積み重ねて初めて現出するような彩の重なりです。 漆黒の夜空が刻々と表情を変えるかのようにどこをどう捉えても無地などではありません。 むしろ有機の塊、なのです。


以前にも書きましたが、本物は素気ないもの、この織物をを観ていると確かにそれは間違いではないと思わされます。 つまり内包する本質以外の何かで見るひとの目を惑わせる必要はないのです。 むしろ内包する本質そのものが見るひとの目を惹きつけ魅了するのです。 こちらの紬織物は一見したその瞬間は素気ないものかも知れません。 でも、それもほんの数秒のことに過ぎません。 素気ないと感じるのはほんの一瞬ですぐにどこにでもあるものではないもの、と判るのです。 つまり…、こうした紬織物を選ぶ審美眼を保ったひとを目利きと言うのです。 見事な織物だと思います。



手織り紬織物/黄無地着尺 見留敦子作品


【商品情報】

商品番号
TS-OR-001378
商品名
草木染手織り紬織物/下井伸彦
品質
絹100%
価格
¥261,300(表地/税込)
¥315,300(袷仕立上げ/税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約3週間〜25日戴いております。
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巾/ 長さ
38cm程(※約一尺程)/※12m50程 (※約三丈三尺)
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紬織物


紬織物

手織り紬織物/青墨無地着尺 制作/下井伸彦

価格:

261,300円 (税込)

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