月明に
青鹿とわれの
まんだら
田中昌子
海程
【型染め九寸名古屋帯】
―創作更紗―
着用時季・※盛夏を除く通年
更紗に限らず、異国より渡来した文様/模様には諸説ありますが、更紗の出典は印度であると言うのが概ね一般的な解釈です。 難解な文献を紐解けば、紀元前三千年頃にはすでに綿織物が在り、手描き更紗が染められ始めたとされています。 もちろん私はまだ生まれていない、故にそれを確認する術もありません。 しかし出典はともかくも古代エジプト、ローマの貴族たちもインド更紗を愛用していたと云われていることからも、その歴史の深さを推し量ることは出来ます。 カラムカリ(ペルシャ語の「ガラムカール」 いわゆる初期の更紗はペンのような先の細い形状のもので部分的に蝋纈染めが施されています。 現代では手描き更紗、木版更紗、石版更紗、蝋纈染めを併用した技法等があり、特に近年東南アジアでは木版染めが多く染められています。
さて、こちら、、、創作更紗、そも、唐草模様はナイル川岸の蓮/ロータスを描いたものと解釈され、それを範として描かれています。 ご覧頂けますように白磁のような地色に描き染め上げられた更紗は「更紗」としての美しさに溢れています。 更紗としては古典的な構図の一つとも言える模様と彩色…。 見ようによってはエミール・ガレのガラス細工の模様に見えるのかもしれません。 型染という伝統的な仕事ではあるのですが、やはりそこから受ける印象は伝統的と言うニュアンスとは少し違うように思います。 日本の友禅から感じられる品位や格調と言った趣ではないのです。 そうした友禅染めの印象は感じられません。 さりとてバティックやチャンチン描きの印象でもないのです。 日本の友禅職人の手によって作られた更紗なのですが、やはりそこには更紗固有のエキゾチックな印象が感じられるのです。 それほどに更紗という文様は個性的であるのかも知れません。 この帯を眺めていて率直に湧き上がった感想なのですが、なにやらまたいつものようにとりとめのない解説となりました。
※現品限りです。
※紅の極小絣が美しい本塩澤御召に適わせてみました。
商品番号 |
CKY-NAS-6161 |
商品名 |
型染九寸名古屋帯/創作更紗 |
品質 |
絹100%※金銀糸箔を除く |
価格 |
¥154,000(帯地のみ仕立て無し/税込) ¥165,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
八寸程/ 九尺八寸程※お仕立て上がりの際のサイズ |
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