伝へたき
言葉あふれて
星月夜
川端和子
星月夜
【型絵染九寸名古屋帯】
―クジラの見る夢― 制作/岡田その子
別誂え夏紬地
月を従え夜空を悠々と泳ぐクジラ、ビルを見下ろしながら泳ぐクジラ、これだけ見ているととても着物や帯の意匠/designとは思えません。 どこかユーモラスな印象さえ想わせるこちらの帯の制作者は岡田その子さん。 ファンのお客様は制作者の名を記さなくてもお分かりかも知れません。 夜空を泳ぐクジラ、こうして帯の意匠/desigとして使われると何となく帯の意匠として見えてくるから面白いものですね。 意匠とは奥深くかつ面白いものです。
さてさて、インクジェット印刷やシルクスクリーン印刷に代表される染色?プリント?と、ひとの手によって染められる(創意の籠められる、と言った方がより正しいかも)型絵染、どちらが美しいか、人によってもしかしたら意見が異なるのかもしれません。 模様と彩色に少しのずれもなく、染められる写真版はまさに写真版ならではの正確さがあります。帯で一丈二尺~三尺、着物地なら、三丈~に及ぶ絹布の上を文字通り写真のよう“写真のように”染めてゆく(染めるという表現が適当か否かは別にして)それはまさにコンピュータで制御された印刷物、という表現が適うのかもしれません。 ある種の美しさ?を保つそれらの染色は着物を見慣れない人、美術工藝を見慣れない人にとって美しく見えるのかもしれません。
一方の型絵染、和紙に彫られた型紙を使い染めるその染色も当然ながら、一定の「合わせ」が要求されます。 正確さを求めるのならば写真版でよいのではないか。 そう、正確さ、それだけを求めるのなら写真版で良いのです。 ならば、写真版とは異なる何を求めているのか…。 それはやはり匙加減の違い、つまりは手加減の違いなのです。 コンピュータで制御される印刷(染色)には当たり前ですが匙加減や手加減はありません。 同じ色を同じタッチで無限に染め続けてくれます。 そこに色の濃淡やかすれ、滲みはありません。でも、人の手による型絵染はどれほど熟練した職人が手掛けようとも、どれほど研ぎ澄まされた感性が宿る染色家の手に依ろうとも、その日、その時、もっと言えば一時間の中でも筆や刷毛の強弱や濃淡、つまりかすれや滲みが生ずるのです。 つまり、これらが奥行や深みとなって絹布に浮かび上がるのです。 そう…、。 求めているものは加減の美しさ、つまり…“ひとが持つ美意識の揺らぎ”、微妙な加減なのです。 美意識は制御が進めば進むほど希薄になってしまうものなのです。
こちらの型絵染は岡田その子さんの手によって染められたもの。 たとえばポリステルよりも木綿、プラスティックよりも無垢の木、コンピュータグラフィックよりも水彩画、シルクスクリーンよりもリトグラフ、そんな感性をお持ちの方にお奨めいたします。 人工的な美しさではなく、ひとの手の曖昧さ、ひとの手の痕跡に美しさを見出すことが出来る美意識の高いひとにお奨めの一点です。 また、こちら、夏結城や夏大島などの紬のお着物に適うのはあえて申し上げるまでもないのですが、小千谷縮、近江縮など、カジュアルな麻のお着物に適せられても素敵だと思います。
商品番号 |
OKS-NSH-23 |
商品名 |
型絵染九寸名古屋帯/岡田その子 クジラの見る夢 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥185,000 (表地/税込) ¥196,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸~八寸二分程/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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