【手織綾織物】
スノーフレーク/薄機
勝山さと子/バニラ・白汚し
適時季（４月～１０月）
春単衣～盛夏～秋単衣

スノーフレークと銘されたこちら、雪の結晶が紋織で織り上げられた薄機の手織着尺。　雪のような真白ではなく、とはいえ生成りでもない。　漆喰色でもない、石灰色でもない、白汚しとも少しニュアンスが異なる、　この白をどう表現してよいのかわからないでいます。　あえて言えば白ではない白…（バニラアイスのよう…と、させてください。）　白ではない白地の生地に雪の結晶が一面に並んでいる。　雪深い山裾で育つお蚕が糸を吐き出した時からこうなるように決まっていた、そんな錯覚さえ覚える。　お蚕が吐き出した極上の糸を引き手が時間を掛けて丁寧に紡ぎだし、美しい白に染めた後、一枚の絹布に織り上げる。　糸が繭に戻るかのよう、自然に…。　そうだ、あえて申し上げれば繭のような白。　 　


染められた糸の色、手が触れたときのさらりとした絹布感、比類のない上質な織感…　量産される織物にありがちな余計な小細工などない、着物好きが求める品質、それ以上の品質。　ひと目見た瞬間に美しいと思わせる色相の中に織られたスノーフレーク、集中を切らすことなく織り上げられたことがわかる。　非凡では決してなく、むしろ確りとした個性を思う。　もしかしたら適わせる帯によっては帯が負けてしまい、カタチにならないかもしれない。 でもコーデによってたまらなく美しい着姿になると思います。

眺めていると色と織の重なりが美しさを保っていることが分る。　白ではない白とスノーフレークが美しく交差してこの魅力的な織物となっている。　使われた色彩は素朴で混ざり気のない純粋な色彩、とは言え単調な色目では決してない。　衒いを好むことのない、奥ゆかしい質が織り込まれていることから感じる美しさ。　地機の夏結城紬や夏大島などの強い質感を持つ着物と比べても見劣りしないどころか、帯合わせによっては都会的で垢抜けた印象となります。　織りの帯でやや「ほっこり」とした印象を醸しだしたり、絽縮緬生紬の染め帯/型絵染めの帯で都会的な印象を楽しんで頂く事も。　そうしたときにこの着物の魅力をあらためて感じて頂けます。　 奇抜な配色やデザインは決して好まない、とは言えありふれた平凡なものでは満足出来ないと思われている着物好きの方にお奨めしたい逸品です。　参考に洛風林/雷文、白汚し、芭蕉糸の八寸名古屋帯を合わせてみました。　こんなコーデも素敵です。　

※帯コーデ画像と商品単体画像で色が異なって見える場合がございます。