せせらぎの
音の清らか
山葡萄
李茶
(拙句)
【草木染手織り真綿紬】
―霞格子― 使われた染料/槐(えんじゅ)
信州伊那紬
蚕がつくる自然の恵み、繭… ひとの手では決して創ることはできません。つくられた繭のその糸口を探ることなくひとの手で紡いだ糸を自生する植物の染料で染め上げ、ひとの「手」で織り上げた草木染、手織りの真綿紬織物。 こちらの紬織物、大きな括りをしてしまえば「格子」と言う単純なカテゴリーの中にあります。 しかし、表面的には安直にカテゴライズされた織りにも拘らず、こちらの紬織物を目にしていると、終始のすべてにひとの手がかかわった温かみ、機に向かった時間毎の織り手の想いまでもが織り込まれたかのような、そんな敍情的な印象を感じます。
こうしたいわゆる「温かみや敍情」と言った言わば曖昧ともいえる感覚が、はっきりと目に映る印象となって私たち見る者を魅了するのは、安価なことを最終地点にコストのみを追求した無機質なものに囲まれた日常の生活の中で、それらはまったく異質なものとして私たちの目に映るからなのかも知れません。 量販を目的として大量生産されたものではなく、その「布」を織るためにおいてのみ創られた“植物染料”による色彩、繰り返し杼(※ひ)を交差させることによってのみ感じられる「質感」が商業的に作られたモノとは確実に一線を画した存在として主張するのです。
自生する植物からつくられた色彩には、まさにその植物の生命が宿っていると言えるのかも知れません。 さらに言えばその染料を草木から引き出した制作者の息吹をも感じさせてくれるのです。 もしかしたら植物染料でなくても良いのかも知れません。 機の種別に拘らなくても良いのです。 大切なことは、制作者の自己満足、それは一見、自己本位のようでいてそうではありません。どのような制作物にもいえることですが、消費者の顔色を窺ったその瞬間に創作の魅力は消え失せ、無機質な単なる商品となるのです。制作者が自己を満足させることができて初めて消費者を満足させることができるのです。上質なお品とは難解な解説や言葉が添えられたものでは決してなく、実際に着物に仕立てられたそれを纏われたときに最上の着心地を感じさせてくれるかどうかではないでしょうか。
ご覧いただけますように補色と周り色が配された伊那紬です。 巧みなグラデーション配色が縞のきものをやわらかな格子に見せています。 信州のアルプスの山々の緑であり、冬の夜明け、漆黒の夜空が深い藍に変わり、やがて朝陽の霞を受け、紫みを帯びた黎明の稜線の色、そんなことを想わせる素敵な配色で織り上げられています。 印象としては格子感覚の紬織物となります。 ほっこりとした深みのある感じが画像からも伝わっているかと思います。 こうした紬織物をみるにつけ、やはり紬織物 いや、織物は糸質がすべて… 誤解を恐れずに言えば、すべて布地はその糸質がすべてと言っても言い過ぎなどではないのだとあらためて思わされます。 ※参考コーデとして多ち花の更紗を合わせてみました。
| 商品番号 |
OTI-STS-09 |
| 商品名 |
草木染手織り紬織物/信州伊那紬 |
| 品質 |
絹100% |
| 価格 |
¥345,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥387,000(単衣仕立/居敷当付き/税込) ¥399,000(袷仕立上げ/胴裏・八掛/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約4週間~35日戴いております。
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| 巾/ 長さ |
38cm程(※約一尺程)/※12.5m程 (※約三丈三尺程) |
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