水仙や
楷書苦手の
稿を継ぎ
大橋敦子
雨月
【型絵染九寸名古屋帯】
―水仙文様― 紬地
制作/国画会 竹田園子
竹田園子/北海道教育大学岩見沢校 准教授として美術教育に力を注がれる一方、北海道美術協会会員としても美術の啓蒙活動に携わっておられます。 2011からは国画会会員として美術の啓蒙活動に携わっておられます。 竹田園子氏はとても幻想的な作品を創作される染色家であり、もっと言えば空想的、な作品を制作/創作される染色家。 作品は様々なテーマで描き染められるのだけれど、一貫してるのは幻想的や空想的な感覚、言わばfairy tale的。 とは言えよくある未来図画のようなものではもちろんない。 どちらかというとファンタジーか。 いずれにしてもありそうでない、ような、無さそうである、つまり写実ではなく、個々を写実し、それを意表を突く彩色でパズリングする、そんな印象なのです。 基本的に作品の多くはブルーやラベンダーを基調とします。 制作者である竹田園子さんの感性と実際の手わざの無理のないフラットな関係は実に見事なものです。 これまでの作品を見る限り、実に色の使い方が巧み、ところどころに「記憶の中の描写かも?」と想うところもあるが、実にうまく溶け込んでいるのです。 ファンタジーを感じる作品にありがちな異様な表現などもちろんないし、過度な彩色もない、ギリギリのところで留め置かれている。 基本的には俯瞰した風景の一部分を切り取っているように思えます。
水仙、まるで雪の精のような花、水仙。 この花には衒いや卑しさがない。 水仙の花の白はほんの僅かに黄色みを帯び(筒状花の黄色がほんのり映るのかも)それは薄絹のように美しい。 淑やかで愛らしいその姿はまさに自然の心つかい、人間の叡智の及ばぬものと言える。 近所の庭先に咲いているのだが、なんとも愛らしく、そしてどこか気高くもある。 こちらに掲載の型絵染ですが、水仙文様という銘が付されています。 制作者である竹田園子さんは札幌ににおいて制作活動をなさってるのですが、そのお住いの街、札幌市郊外には様々な動物が棲み、自然の花々に囲まれるのでしょう。 小鳥、とりわけオウムがたくさん居ると聞いたこともあります。 その郊外に咲く花々を描かれたのでしょうか。 一見するとさまざまな水仙の花模様が描かれた型絵染のように見えますが、何が描かれているのか目を凝らしてみると、小鳥やうさぎ、蜻蛉に蝶々、孔雀や蜂、女の子、めだかでしょうか、小さな魚も描かれています。 目にした瞬間には見えなかったものがたくさん見えてきます。 思うのですが、世の中は価格がつけられたモノと 値段をつけることが出来ないもの、 人の手しごとが創造したモノと 自然が創出したもので出来ています。 ひとの創作は美しい、 自然の創出ももちろんだけど美しい。 この作品を眺め見つめていると この繊細さを創った竹田園子さんの指先を想う…。 一枚の型絵染の作品「水仙文様」と制作者、竹田園子、 そのどちらもがかけがえのないもの、とひと、、。
型絵染めにしては極めて繊細な型が使われながら、表現力の在る彩色が施され個性的な印象です。 とても美しく、且つ丁寧に手差しにて施された彩色… この色彩、単なる色彩表現では捉えることの出来ない、深い深い彩りを感じさせてくれます。 あくまでも染色としての色彩模様…、 系統種別としての色はラベンダー系となりますが、そこに地味とか派手とかいう短絡的な印象はありません。 あくまでも、「水仙文様の作品」の「色」なのです。 作品は強くカジュアルを意識させます。 ただ、こうした極めて上質な帯こそ、カジュアルを意識させるだけではなく、また、マニュアルに縛られた当たり前のコーディネートだけでなく、この帯が保つ雰囲気や表情そのものを愉しんで頂きたいと思います。 和の装い、とりわけカジュアルな装いにおいて最も大切なのは「何を着るか」では決してなく、「どう装うのか」、なのだと思います。 それが、趣向を保った「装い」なのだと思います。 下井紬に適わせてみました。 上質なカジュアルの極み、だと思います。
商品番号 |
OTK-AKM-412 |
商品名 |
型絵染九寸名古屋帯/竹田園子作品 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥540,000 (帯地のみ仕立て無し/税込) ¥551,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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