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拙句
【本藍染め有松絞り】
―手蜘蛛絞り― 括り-玉井留美 藍染め-本藍染め/矢野藍秀 着用時季・単衣~盛夏
<手蜘蛛絞り> 工藝染織の着物や帯に関心をお持ちの方でしたら、手蜘蛛絞りという名称を見聞きされたことはこれまでに一度や二度ではないと思います。 伝統的な有松絞りの中でもとりわけ制作点数の少ない絞り技法です。 限られた数名の職人の手によってのみ制作が続けられていた手蜘蛛絞りは昨年(令和6年)の制作元の廃業に伴い、存続が危ぶまれましたが、関係者の尽力により、なんとか古来より伝わる伝統技法を繋げることが叶い、商業ベースには程遠い制作数ですが途絶えてしまわないよう努力をいただいております。(※こちらでお話をしております有松絞りは海外生産「カンボジア、ベトナムなどの海外での括り」の有松絞りではなく、有松の地に古来より伝わる有松絞りです。 一般的に言われる有松絞りは制作における括りのほとんどがカンボジアなど海外、染色は国内、となっております。)
有松絞りと一括りに言いますが、有松絞り(と名の付く)のすべてが有松で行われている訳ではありません。 上述しましたようにむしろ、こうした一部の工藝染織の有松絞りを除けば、括り/絞りのほとんどは現在国外の手に委ねられています。 それは有松絞りに限るものではなく、京都の疋田鹿の子絞りなども同様です。 そうしなければ成立しないのも日本の伝統産業の現状と言えるのかもしれません。(その意味においては純粋な地場産業とは言い難くなってきているようにも思います。) 染織における、伝統や歴史とは、地場の産業の連綿に他なりません。 工藝染織の多くは地場産業の中に在り、地場産業の象徴が工藝染織品なのです。 それはこの有松絞りとて同じことです。 絞りの浴衣の産地として有松鳴海絞が有り、数々の有松絞りが生産されています。 その中で古くから伝わる技法を守って少量ながらも生産され続けている、それが今回こちらで ご紹介させて頂く工藝染織としての有松絞りなのです。 そしてその中でも一際生産数の少ない絞りが手蜘蛛絞りなのです。
長々としたお話となりました。 それはこの有松の地場産業として量産される有松絞りと、一部縷々として伝え継がれている工藝絞りとの異なりをお伝えしたかったから、それ以上の理由はありません。 さてさて・・・、この手蜘蛛絞りなのですが、手蜘蛛一筋と言っても過言ではないほど手蜘蛛絞りを括られてきた、もっと言えば人生の大半を手蜘蛛絞りに費やしてきた三浦鈴世さんの後継と言える玉井留美さんの手によって丁寧に丁寧に絞り括られたお品です。 ご覧頂けますように、絞り、染め、とすべてに丁寧な手仕事が積み重ねられています。 申し上げるまでもないかも知れませんが、藍も紺染め(化学藍)ではなく本藍です。 化学藍の綺麗さとは異なる本藍の渋みが感じられてとても素敵だと思います。 玉井留美さんの手で括られた手蜘蛛絞り、有松の工藝染織の中で一二を争う絞り美しい絞りだと思います。 ※本藍染です。色移りなどがございますので予めご承知おきくださいませ。
日本工芸会正会員/中澤先生に誂え染めをお願いしました「紫つめ草」名古屋帯 ※すくい織八寸名古屋帯「青楓に流水」でコーデしてみました。ご参考までに。
商品番号 |
SIBORI-KOGE-555 |
商品名 |
工藝絞り/有松絞り 手蜘蛛絞り 玉井留美 |
品質 |
綿100% |
価格 |
¥195,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥221,500(浴衣仕立/居敷当付き/税込) ¥237,500(単衣着物仕立上げ/居敷当付き/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~35日戴いております。
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巾/ 長さ |
巾/約1尺~一尺弱(※およそ37,5cm)・長さ/3丈3尺5分程/12m80cm程 ※身長165cm位迄/裄1尺8寸7分程度まで |
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