【手描き友禅/九寸名古屋帯】
―青芭蕉―
別注品
着用時季・単衣/夏



しゃり感を残して織り上げた紗紬地に青芭蕉の葉の模様が丁寧に描き染められています。　墨色に染められた地色に美しい画筆で描き染められた青芭蕉の葉…、　俳句の季語で言えば芭蕉は秋、描かれたそれは青芭蕉、青芭蕉の季語は夏、つまり初夏から初秋までも想わせてくれます。　季節を想い、想いを巡らせる…、和の装いならではですね。　

　 美しい。　光沢を抑えた墨色の地色が本当に美しい。　地色はこうした染め帯の魅力を司る要素として極めて重要で、地色の魅力が帯の魅力だと言ってしまっても言い過ぎではない。　裏返せば、描かれたモチーフが魅力的だとしても背景となる地色が冴えなければ美しく目に映らない…　　　つまり…、一言では表現できない色目、、、それはこうした染め帯には欠かすことの出来ないもの。　そしてそれは吟味に吟味を重ね、何度も何度も色が調合され創られている。

　 南国の強い陽射しを雲が隠すその一舜の陰間に浮かぶ青芭蕉…、ひと時だけひんやりと背中越しに吹く風を想わせるその形と色はいかにも日本の夏の風情…、　実に美しい。 　墨色の地色に浮かび描かれた青芭蕉が本当に美しい。　　眺めていればいるほど、引き込まれてしまう…。　美しさとは本来そうゆうものだと思います。　方途を尽くし、言葉を並べたところに美しさが在る訳ではなく、本質に美しさをもたないものに美は宿らない。　つまり・・・言葉など添えられていなくても、美しさを秘めた作品は唯そこに在るだけで美しいのです。

※絽の色無地や江戸小紋、薄ものの軽い附下などに適わせて頂きますととても素敵なのですが、無地感覚の結城縮みや夏大島、小千谷縮、有松工藝絞りなどのカジュアルなお着物に適わせて頂きましても素敵です。　小物を変えるだけ、、感性でお使いください。 　 　

※参考コーデは結城縮みに合わせています。