秋暁の 足跡たよる サファリかな 渡辺玄子 酸漿
上で少し触れましたが小倉織の特徴は極細の木綿糸。 経に通常の帯の経糸の三倍近いおよそ2300~2400本の糸を使っているため、緯糸はほとんど見えない。 着物でも帯でも基本巾は同じ。 三倍近い糸を使うという事はつまりはおよそ三分の一というしなやかで細い、加えて堅牢な糸が必要となる。 それゆえに織りでグラデーションを表現することが可能となる。 糸のひといろ一色、一見した瞬間にはわからないかもしれない。 白地に芥子系と茜系の縞として眼に映るのかもしれない。 しかし一見茜色に見える縞も数十の濃淡で構成されていて、糸一本一本がそれぞれに主張しながらも隣り合う糸の色を補正しときに交わるかのように見えるその色は決して交わることはない。 隣合う色は互いを引き立てより美しく見せあうことでこの印象が出来上がっている。 つまり、経糸の密度を通常の織物の二倍から三倍の二千三百本にすることでより一層その揺らぎは美しさを増して見る者に深いため息をつかせる。 即ちそれはある種制作者のみが感じることの許された愉悦と言っても良いのかもしれない。
シンプルに見せながら極めて精緻で細密な縞、垢抜けた配色が都会的な印象の一点です。 色無地や鮫小紋、小紋などのやわらかものから、無地織の結城や牛首などの紬、もちろん綿/麻の着物にもとても適う逸品です。今回は美しいキモノ2024秋号でいつもの吉田羊さんに着用して頂きました。掲載のお品はその現品です。
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