満月と
重なる聖夜
第九聞く
森山のりこ
あを
【西陣織九寸名古屋帯】 ―ペルシャ版木文― 制作/洛風林
洛風林の資料館に所蔵される品々の一つである「ペルシャの版木」 版木とはいわゆる木版染更紗などに使われる道具(木版/版木)のことで、本品は版木を元にデザインされました。 こちらの版木はペルシャ更紗のブロックプリントと呼ばれる更紗を染めるときに使用される木版です。 ペルシャ更紗のブロックプリントは指先大のような小さなものから、こちらのペルシャ版木文のように比較的大きなものまで多様に存在しますが、こちらに掲載のペルシャ版木文は繊細な木彫りのボッテ文様(ペーズリー文様)を原寸大にて大胆にリデザインされ織り上げられました。(※現在、古代の木版は国外に持ち出すことは禁止されておりますので希少な資料と言えるかと思います。)
言わば、洛風林における様々な見識の累積(堆積も含め)や思考の構築の中における英知や軌跡の結晶、それらがこうして洛風林の考えるペルシャ版木文意匠/designとして表現されたものと言えます。 こうした織物を見るにつけ、いつも思います。 美しいデザインは、創造を彫刻する(削ぎ落とす)ことで整えることが出来る。 しかし何もないところから美しさを引き出すことは出来ない、もともと過剰を内に秘めている創造こそが、様々な思考の構築の中で英知の結晶を彫刻する、つまり現出することが出来るのだ思います。 意匠/designとは、極めて精巧に制御された「英知の結晶」と言えるのかも知れません。
「織物」として完成された美しさが、見る目を通して脳裏隅々を満たしてゆきます。 秀逸な意匠が帯地としての工芸的価値観を高めていると言えます。 こうした帯は極めて「美意識」の高い機屋の手によって初めて可能となる意匠/デザインであり、上質を極めた「西陣織物」でもあるのです。 抑制の効いた色彩印象でありながら、どこか凄みを含み、物足りなさを感じることがない。 そう思わせるのは、織の巧みさと意匠/デザインが高い次元で見事に相俟っているからこそ。 そしてそのままそれはこの帯をお選びになりお使いになる方の感性や趣向の高さを想わせてくれます。
さてさて、、、では、どのようなお着物に合わせるか…なのですが。 たとえば色無地や附下、江戸小紋などにお使い頂けるのはもちろんなのですが、上質な紬織物、あるいは御召織物にお使い頂きましても素敵だと思います。 他に意外でしたのが、(意外でもないかな)結城紬の無地や縞に合わせてみたのですが、金銀箔を用いない質感が結城紬のマットな表情にとても美しく映え、想像以上に素敵でした。 ※参考画像は格子の下井紬に合わせてみました。 やはりとても素敵です。 ご参考までに、、。
商品番号 |
TNM-OOE-0117 |
商品名 |
西陣織九寸名古屋帯 ペルシャ版木文 制作/洛風林 |
品質 |
絹100%※金銀糸・箔を除く |
価格 |
¥209,000(帯地のみ仕立て無し/税込) ¥220,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
八寸~八寸一分程/ 九尺七寸程 ※お仕立て上がりの際のサイズ |
|