最終章 まづ読み果てし 秋の朝
吉弘恭子
あを
叙事百選集/日本の美しい手仕事2018年8/17(金)
今、なぜ日常にキモノを着るのか、きっと、そこに“非日常”があるからかも知れません。
縞、格子、と言った洋服に溢れている意匠でもひとたび着物の柄となるとその印象は
一変してしまいます。
もちろんそうしたきものの大半はカジュアルであるし、いまや、カジュアルなお洒落着物は
十数年前に比べれば広くお洒落に敏感な女性たちに浸透し、日常的にキモノを着ておられる方も決して少なくはない、そんな時代背景だとしてもやはりキモノには非日常があるのだと思います。
キモノが本当に日常であった頃とはちがう街並みの中で颯爽とキモノで歩く女性たちがみな、とても魅力的に目に映るのは、憧れているだけのライフスタイルを何食わぬ顔で具現化してしまっているからなのかもしれません。
いくらどう言おうとキモノはやはり動きやすさという点においてジーンズなどの洋服には及びません。 不自由という感覚を身に纏えば、反面的に自由というモノを実感し、自由というモノを本質的に知るために、抑制/制限を体感する…。 などと難解に考えている訳ではないと思います。(笑) でも、慣れてしまうとそれほど不自由なものでもないのですが、ま、現代の社会においてキモノは多くの場合趣味趣向ですから、合理的とか、効率とは無縁のキモノというモノを楽しむこともこれまた一興。
さて、こちら木綿の着物地です。 美しいものとそうでないものは紙一重、要するにギリギリのバランスが一番美しいなんて言われますし、私自身も同感なのですが、こちらの縞は美しいのど真ん中、やはり美しいものはも美しいと言うほかありません。 いつも申し上げるように私は「縞」をあまり好みません。 若い時から今に至るまでそれは変わらず、格子やギンガムなんかの方がうんと好きでそれが最上(画は別です。)だと思っていて縞はどこか一つ下に見ていたのですが、ここまでの縞を創られるともう、すみません、と謝るしかないのです。 そう、工藝というモノは絶えまなく進化していて、こうした縞もそれは同じなのです。 進化しながら完成形に近づき、それでもまた未完成でもあるのです。 そしてドキドキしてしまう様なその縞織物は私にとって呉服商としての生涯の中で数えるほどしか経験のない縞の不意打ち。(笑)
言わば大袈裟に言えば一つの奇跡でもあるのです。
この縞の大きな括りでの説明は染織工芸の帯のカテゴリーの中に「築城則子・小倉縞/小倉織」がありますのでそちらを参照してください。 こちらのお品(※こちらは着物地です、帯ではありません)の詳細はメール、またはお電話でお問合せ下さい。
似て非なるモノ「シマ」だけを求めるのなら他にいくらでもあります。 こちらでご紹介のお品、私の美意識にじわっと侵入してきます。 素朴で、それでいて美しく、どうしても手元に置きたいと、喉から手が出てしまった逸品です。
商品番号 NAGOYA-SOME-36363
商品名 小倉縞織物/縞勘・山口源兵衛/築城則子
品質 綿100%
価格 ※【※SOLDOUT】です。ありがとうございました。
巾/ 長さ ※巾・一尺程。/ 長さ12.5m程。多少の誤差はご容赦くださいませ。※こちらのお品は現品事前確認をお受けしておりません。
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