水流の「季・とき」折々・・・
「季・とき」折々… 2011年 03月09日(水)

□有為転変は世の習いとは言うものの、、。
”いま”、世間では「断捨離」という名の考え方が注目されているようです。 何事に疎い私、意味を知るために検索し、説明を読むとそこにはこう書いてありました。 断捨離とは、ヨガ(ヨーガ)における断業」捨行」離行」という考え方を日常の生活に取り入れたもの。 つまり、不要なものを断ち、捨てさることで、モノへの執着から離れ、身軽で快適な生活を手に入れる。 と、なるほどそういうコトらしい。(ヨガと言っても伝統的なヨガだけでも様々な種類が存在し、体験すらしたことのない私にはますますよくわからないのだけれど、元々は馬にくびきをかける、つまり馬を御するように心身を制御するのがヨーガの由来とか。)
今ここに始まった事ではないけれど、ブームになると暫くはそのこと関連ばかりに注目が集まるのは日本人固有の特性かもしれません。 ついつい人と同じ、を安心と思いこんでしまうこともありがちです。 団体行動を美徳とする日本人と、個人的な価値観を尊いものとする諸外国とはかくも違うのかもしれません。 ま、どちらの思想にも一長一短有ると思いますが。 とかく日本では、なにかひとつ流行ればそれに乗り遅れまいと翻弄されるようです。 ひとと同じなんて嫌、とは言いながら、ひとと同じだと妙に安心したりする。 私みたく、人と同じは本当に嫌、という人間に、それはほとんど理解が出来ないのだけれど、、。
で、断捨離、簡単に言っても難しく言ってもどうやら物を減らして豊かに暮らすことらしいです。 蒐集癖のある私にはそれの何が愉しいのかよく解りません。 その方が、なんとなくアタマが良さそうに見えるのは間違いないのかも。 でも、そうならば、究極的には宝石も要らなければ、知的な洋服も必要ではありません。 精神を豊かな気持ちにさせてくれる絵画も書も要らなければ、眺めているだけでうっとりするような着物や帯も、心を落ち着かせてくれる素敵な家具たちだって要らないことになります。 生活に必要な”モノだけ”で暮らすのならば、家具は積み木のようなカラーボックスで十分だし、無論ipodだって要らない。 美術書も昆虫図鑑も、当然ながら、心が掻き乱される美しい染織も必要ないということになります。 でも、私はそんな暮らしが楽しいとは思わない。 ある種の無駄は人生を愉しいものにしてくれると思っているし、そもそも心の滋養となるそれを無駄だとは決して思わない。 もちろん断捨離とは、単なるモノの整理術ではないこと位は理解しているつもり。 身の回りにあるモノをすっきりさせることで心の乱雑さを正し、ポジティブな思考を取り戻す、つまりはひとつひとつ確実な取捨選択を掛けるということがその根幹にあるのだと思います。 でも、こうしたブーム、なんだかどこか胡散臭い・・と思うのは私だけ?。
雑誌などの特集で“「断捨離」そのブームが問いかけるものとは何か?、熱中する人々の姿を通して考える。”なんて記事を見掛けるけれど、その実、内容を深く掘り下げ、答えを導き出していることはあまりないようです。(もしか、あるのかもしれないが)大抵は実践派の人たちへのインタビューに言語明瞭なれど、意味不明瞭の解説を加えた程度でお茶が濁されていることが多いように思います。 思えば、「憬れの古民家で暮らす」や「心を解く(ほどく)田舎の暮らし」なんていうタイトルも一時ブームになりました。 確かに古民家はとても素敵だけれど、憧れだけで暮らせるほど古民家の手入れや暮らしは楽で簡単なものではないし、田舎の好きな私は、「心を解く田舎の暮らし」には強く心惹かれるけれど、虫や爬虫類の苦手な人が雑誌の記事にあるようなイメージだけで暮らせるとは思わない。
上辺に見えているきれいに澄んだ表面だけを安直にひょいとすくい取り、あたかも時代を知的にリードしているかのような記事を拝読していると、ジャーナリストとしてどうなんだろう、との疑念を抱いてしまいます。 上澄みの下に沈み隠れている沈殿物まで汲み取って解説を加えてこそ、初めてジャーナリズムと言えるのではないかと思います。 ブームにならえば、そんな編集者や記者こそ断捨離です。 思い起こせば政界にも角界にも、我が呉服業界にも断捨離したい輩はうようよわんさかといます。 そう言えば女帝も断捨離のHow-toを熱心に読んでいたようだけれど・・。 よもや照準のその矛先は店主か?、、。 アァ----コワイィ・・クワバラクワバラ
【掲載画像に付いて】
--西陣織袋帯/唐織錦
丁寧に、真面目に、美意識の籠められた帯が年を追うごとに少なくなってまいりました。
もどきは要りません。 それらこそ、断捨離のふるいにかけられるべき、かもしれません。
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