きもの専門店
そう謳うのは覚悟と精通が問われます
着物に関わり四十年と少し…
まだまだ学ぶことばかり…
きもの、って知れば知るほど知らないことばかりです

その多様さゆえに定義付けることの難しい更紗
古渡にはじまりペルシャ、フランス、イギリス、…
  バティックとして知られるジャワ更紗もありますが、日本の職人の手による和更紗の美は
やはり格別です
―唐草小花文―

暈したり、一層の斑も許さなかったり
澱みの様に堆積した手わざが意図して刷毛を捌く…
かのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさえ憬れた
日本の職人の筆捌き

染織作家の手から放たれた作品は
一つの花、一つの蝶、一つの鳥、に
生命が吹き込まれているのです 
添田敏子 ―白ぶどう―

もしかしたら
この小さなキモノ店は
アナタをドキドキさせることが
出来るかも知れません
どうぞ遊びにいらしてください 

水流の「季・とき」折々・・・

「季・とき」折々・・・ 2009年 02月23日(月)

バティック

イメージはどんな?…

これまであまり考えたこともなかったのですが、「呉服屋さん」と言うと、世間からはどんなイメージを持たれているのでしょうね? お金持ち相手の優雅な顧客商売? 一見のお客はまず値踏みから? 買いそうなお客以外には無愛想、商品すら見せない? しつこい? お世辞は上手い?…… なんだか否定的な感覚で捉えられていますね。。。 ま、確かに弊店などでも私の生涯獲得予想賃金よりも高いと思われる(※間違いありません)住宅に住まれ、ぶつけたら、修理代だけで私の年棒は軽く吹き飛びそうな高級車でいらっしゃるお客さまもおられます。 名前を聞けば誰でも知っている?企業の社長夫人 某舞踏家婦人、某有名大学学長夫人、など等 いわゆる世間で言うところのお金持ち? 確かにそうした方々もおられます。 でも、だからと言って最速メトロノームのように私が尻尾を振っている訳ではありません。

 また、敷居が高そう… 紹介がなければ入りづらい… なんてイメージも。 実際初めて お店に入るのはいろいろな意味で勇気がいるのだそうです。 弊店などと違って街の目抜き通りにある専門店なんかは、なんだか店構えだけで「ひやかし・見るだけお断り」と書いてあるみたいな感じがするらしく、半襟一枚くらいのお買いものではとても気軽に入れる雰囲気ではなかったり、 また思い切って重厚なドアを開けて店内に足を踏み入れても その静まりかえった空気感に咳払いすら憚られそうな美術館や画廊にきたみたいとか・・・結局何を見せてもらったのか覚えていないとか・・・

へぇぇ ~ そんなものなんですね、

弊店も以前 初めていらしたお客様からそのようなことを言われたことがありました。 何度もなんどもお店の前までは来たのですが 素通りしたり、引き返したりで… 今日は思い切って覗かせて頂きました…と。 弊店などはそんなに入りにくい店構えではないにも拘わらず、です。 

ただここ数年ですが 弊店ではそうした一見のお客さまが来店されることが多くなって参りました。CM/インターネットの効果なのか分かりませんが、確実に「初めてのご来店さま」が増えているのです。で、いろいろお話をさせて戴くのですが、 興味深いのは、一見さんでご来店されるお客さまの多くが、熱心に※※画報などの婦人雑誌をご覧になっていることなのです。 

実際、書店に行って少しハイクラスな感じの婦人雑誌など手にとってみると、お約束のように「着物」の特集が組まれていて、とりわけ多いのが「お洒落着物」 つまり紬や小紋を日常で着こなすなんて言う特集なんですね。 現在の一番多い関心事はやはり 普段着の着物  つまり、訪問着や付け下げといった礼装着物ではなく 紬や小紋などの日常お洒落着のようなのです。 もちろんウールなんかも日常着の代表ですが、興味を示されるのは、もう少し工芸的なニュアンスの感じられるもの、弊店で言えば取り扱いの多いバティック更紗や沖縄の染織関連なんかがそれらにあたるんですね。 「そう言えばH・P見たんですが、あのNO,1234番のバティックの帯って※※な紬に合いますか?…」とか 「H・Pに載ってる花織りの帯なんですけど、いま見せて頂く事出来ます?…」とか …… あ、“インターネットの効果なのか分かりませんが”、 ではなく 間違いなくインターネットですね…

そこでいつも感心させられるのが お客さま いろんな事を良く勉強してらっしゃるんですね、 とくにこうしたお洒落ものはとても幅広く、且つ奥の深いものなのですが、実によく勉強されているようなのです。 で、呉服屋はと言うと、呉服屋だから何でも知っている訳では決してなく 私でも識らないことはたくさんあると思っています。 ですので、うっかり不勉強でいるとお客さまの方がよく知っている、なんてことにもなりかねない訳で 超、上から目線で見られてしまい、いつもの傍若無人な「いばり」は利かなくなる恐れも出てきます。 ですからそうならないためにも日々の予習復習は欠かせないのです。 学生時代の不勉強がたたり、いまごろ…なのかと 

で、つい先日いらしたお客さまのおっしゃることに、このまえ某NC(※ナショナルチェーン店/全国チェーン店)の呉服店に行って「紅型」の帯を見せて、っていったら そんな変わったものはうちの会社には置いていないし、使い道がないですよ… それよりこちらの帯は何にでも使えますよ。無地の着物かなんかにいかがですか? と尋ねてもいない用途の金銀錦を勧められたそうです。 またあるお客様は 近所の専門店でバティック更紗の帯はありますか?と尋ねたら そんな外国産のもの?は置いてないと言われたそうです。 つまりどちらの応対も問われたことの「答え」になっていないんですね。 お客様曰く「そういうものをよく知らないんじゃないの?」との事でした。 まあ。確かにバティック更紗には安物?と言うか廉価なプリントものも確かにありますし、バティックなんて「カタカナ」が付くと外国産と結び付いてしまうのかも知れませんが、 本物の古代木版で摺られたバティックは決して安くはありませんし、手描きにて描き上げられたバティック更紗も当然然りです。 しかし、そうしたものを取り扱っていないお店では知らないこともあり得るのかも知れません。 弊店がいまどきの「コスプレドレス的な振袖」のことがあまりよく分からないように、扱いが無ければ知らないこともあるのですね。 そんな訳で弊店も高度な質問に応えられるようにしないと手厳しいご意見を頂く時代となって参りました。専門用語で丸め込む、どころかお客様に専門用語で丸め込まれないようにしなければ… 

こちら。。。その外国産でもなく、安物でないバティック更紗の袋帯です。 

今回はこの辺りでスマートに終わりたいと思います。。。

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