水流の「季・とき」折々・・・
「季・とき」折々・・・ 2009年 07月17日(金)

□無題
最近 インターネットを見ながらぼんやりと考え込んでしまうことがあります。 まあ、良くも悪くも昼行燈、 そうでなくてもぼんやりしていると言えばそうなのですが そうした後天的要因とは別に どう表現したら良いのでしょうか? 気が遠くなると言うのでしょうか? ネットの世界を見るようになった10年前ほど前から、今日までの間にも 果てしなく拡張を続ける宇宙のように 着物に関するサイトが増えているように感じられたのです。 曰く、星の数ほどと言われるネットの世界ですが、 むしろ星の数ほどどころか 銀河系がいくつもある そんな感さえするほどです。 なかでも急速にその数を伸ばしているのは、弊店のような販売サイドとしてのHPよりも、着物を楽しむ消費者サイド いわゆる「Blog」です。 こうしたBlogを見るに付け、着物を誂えるだけでなく、純粋に「着るもの」としての着物を楽しんでいるように感じられます。 で、販売のサイトはと言いますと…
暇に任せて他のサイトと比較してみたりするのですが、 実際のところ、弊店のサイトはどうなんでしょ? 品目や数量でははっきり言って完全に負けてますね。 そこで勝負する気も更々無い訳ですが… まあ、弊店のささやかなこと 中には何千点と言う数の商品を並べているところもあります。 とても弊店の太刀打ち出来るところではありません。 すごい…としか言いようがないのです。 翻って、では弊店の特徴は?なんなんでしょ? 思わず考えさせられてしまいました。 何でも取り揃える総合量販サイトとは違い 工藝染織を専門とする弊店は 掲載している商品も とかく偏りがち。 自分の眼鏡に適うもののみ つまり素性のしっかりしたモノの中で 且つ自分が確実に良いと思うものしか掲載していないのです。 他でよく売れてるみたいだから、とか 利益率が良いからとかの視点で商品を仕入れることは一切ないんですね。 つまりそうした路線にはまーーーったく興味がないのです。 関心「ゼロ!」なんです。 そんな商売をするくらいならば、やめてしまうでしょうね… 売れ筋であろうが、何であろうが、売りたくないものは売りたくない。 誰に何を言われようが、美人経営コンサルタントに甘い言葉を囁かれようが、絶対に嫌なのです。 ここのところは自分で自分を持て余すほど頑固なんです。 もう少し融通の利く性格だったら、と何度思ったことか… ま、仕方ないです。 嫌なものは嫌なんですから。。。 あ、誤解のないように申し添えますが 所詮、商人ですから 儲けることに興味がない訳ではありません。 むしろ暇を見つけては「とらぬ狸の皮算用」をやってニマニマしている訳なんですが、掛け率ひとつ取ってもデパートやNCとは比較になるまでもなく、あくまでも大したことはない訳です。 ま、そんな才覚があればとうの昔に億万長者 夜な夜なパソコン相手にこうしてカチャカチャやってる筈もなく 錦三丁目、綺麗なお嬢さんに囲まれ、ニヤニヤしていることは間違いありません。
さて。。。 そろそろ 本題に入りましょうか? とは言え特別なお話ではありません。 先日「雪花絞り」の唯一の職人であられる鵜飼良彦氏にお目にかかり いろいろなお話を伺って来ました。 有松と言えばご存知の通り いまでは全国でもここだけとなった伝統工芸の絞りの産地なんですが、なかでも「雪花絞り」を手掛けているのは鵜飼良彦氏だけ。 そんな氏の仕事場にお邪魔してお話を伺った訳ですが、何しろ時間はたっぷりとってあるから、ゆっくりとその仕事を心の中に染み込ませてもらいました。 それは圧倒的な迫力をもって迫ってくると言うようなものではありません。 美術工芸品のような近寄りがたいものでもないのです。 でも、単純であるのかも知れないけれど心の中に浸みこんでくるような美しさを想わせる、そう、いわゆる「Japan・Cool」と称えられた美しさそのものであったのです。 脳神経が痛み出すほど凝視拝見させて頂きました。。。 やはり私にはこうした時間を過ごしているときが人生の中で一番贅沢な時間かも知れない、 そして感じたことは、眺めているとどのような小さな一片にも抗い難い魅力があるんですね、しかも本当に美しい… 何よりも美しさの階調が違うのです。 まさに日本人の心象風景に在り続ける彩色… だから何百年を経たいまも現代女性の心と響き合うのかも知れません。 あらためて思うのですが、私たち日本人の現代の生活様式は、素晴らしい「大和文化」からすでに離れてしまっています。 もう正確に後戻りすることは もはや出来ないのかも知れません。 だからこそ現代に生きる私たちにとって記憶の中に微かに残された何かに限りなく惹かれ、心が揺り動かされるのだと思います。
乾坤一擲を繰り返す鵜飼良彦氏の背中に積み重ねてきた歳月の尊さを感じるとともに、後世に語り継がれるであろう職人と、いまこうして対面出来る喜び。。。
こうした職人さんに会っていつも思うのですが 仕事において「常に初心に還ることの出来る人は、その都度、生命をも更新する、 伝統に居座ることを潔しとしない、 また伝統の中心にいることもしない、 史実の府に在ることも必要としない。」 そして職人として大切な「誇り」と「仕事の流儀」を持っている。。。 私はそうしたひとが大好きなんですね。 決して何かに媚びることもなく 唯、淡々と仕事を重ねている、とりわけ特別なことをしている訳ではないのです。 日々、丁寧な仕事を積み重ねている訳です。 まだまだ、日本にはこうした職人さんは少なからず居られます。 そうした方にお会いする度に、工藝染織の専門店を我が生業とする私は 「きちんとしたもの」 を 「きちんと販売する」 こと、を確実に淡々と続けていけるようにと、あらためて固く誓う訳です。 工藝染織の専門店として これから先の道筋について 私自身その答えを見い出してはいません。 しかし、そうした職人の仕事は時間を繋ぎとめ永遠へと結ぶ力に満ち満ちているのです。 そして街やひとがどのように変わろうとも同じものは依然としてそこに存在しているのです。
《掲載の商品について…》
こちら、鵜飼良彦氏の雪花絞りタピストリーです。広げるとかなり大きなものとなります。 あまりの美しさに 飾る壁もないのに購入… なんとかならないか、この病…
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