水流の「季・とき」折々・・・
「季・とき」折々・・・ 2009年 08月29日(土)

□Order tailoring
ちょっと教えて頂きたいのですが、 老老介護って何歳からなんですかね? 近眼に老眼 おまけに耳も都合によって聞こえないとなると なんだかバリューセットのようですが かと言って特にお得感はありません。 近くは見えない 遠くも見えない まあ、見えない方が都合の良い場合も折々ありますが、 自分が見たい時は 些か都合が悪い… まずTVの字幕が見えない 外国映画なんかで字幕付きのものなんか見てても ストーリーがまったく分からない… おまけに理解力に難有りが付きまとう。 英語が堪能ならば それでも良いのでしょうが、 たまたま英語だけ話せません。 で、一々女帝に聞く訳です。 「なんて書いてある?」 女帝の虫の居所によっては大規模な抗争に発展しかねません。 で、抗争を避けるべく 新聞でも読み始めるが新聞も見えない… のでシニアグラスを掛ける と言うか鼻の上に乗せる Higashikokubaru氏のような何とも冴えない感じで見てる訳です。 ますますTVは見えないので シニアグラスの上から目だけ引きずり出してTVを見る ほんとに爺さんみたい、とか言われながら。。。 まあ、確かに53歳と言えば 一昔前なら御隠居の手前です。 でも、私のように2本の指だけで自在にパソコンを操れたかと言えば、そんな訳はありません。 思えば優秀なもんです。
さてさて。。。 何の関連もない前ふりからいきなり話は変わりますが、 前回 少しだけ、仕立てに付いて触れたのですが、 それに付いて先日こんな事を尋ねられました。 「私、あなたのように太めなんだけど、着物を着たとき どうも衿元、胸元がすっきりしないのよね、あなたはすっきり着てるけど、何かコツはあるの? 私より絶対首、短いわよねぇ…」と、いきなりセクハラ交じりの直球です。 私の首の長短についてのご指摘は明らかに余計なお世話ですが、 まあ、確かにそのご指摘もまんざら間違っている訳ではありませんので甘受いたしますが・・・。
あ、そんな話ではなかったですね、 それで そのご指摘の首回りをどのようにしてるのか… 実は ここが大切なところなのです。 一般的ないわゆる「標準体型」と言われる方々の 衿肩開きの寸法は2寸3分です。(縫い代含まず) でも 私のような体型は その寸法だと襟元がすっきりしない 早い話、衿の行き場がないのです。(首の長さを人よりも少し控え目にしているため… ま、その代わりと言ってはなんなんですが、顎のたるみは少し多目にとってあります) で、どうするか? 衿肩開きを少しだけ余計に開けるのです。 でも、ここで仕立てに明るい人ならば ん…??? と思われた筈です。 そうです、もちろんそれだけでは妙なバランスになります。 つまり衿肩開きを広げたのならば 衽下がりの寸法を調整しないと… と思われたのだと思います。 さて、ここからが肝心です。 和裁の本を開くと その場合 衽下がりを 3分程度上げる(本によって若干の差異があります) と書いてある訳です。 これが前回お話した ことなのです。
着物を着ない和裁士さんが仕立てると、やはり教科書の通り仕立ててしまうのです。 まあ和裁の本に書いてあり、そのように習われてきたのですから 当たり前言えば当たり前 それで良し、と思われるのも無理はありません。 でも、実際は衿元、胸元を綺麗に納めるためには 上げるのではなく、反対に下げるのです。 そうすると 衿元、胸元が 綺麗に納まり、帯から上がとてもすっきり美しくなるのです。 まあ、それ以前に ふくよかであろうが、ほっそりしていようが 同じ「標準寸法※衿肩開き/衽下がり」にしてしまうことが そもそも不適切な訳ですが。 前巾、後ろ巾、など身巾はそこそこきちんと採寸されているのに その他の採寸の微調整がなされていないのです。 つまり、机上の論と現実にはこうした差異があるのです。 この方法 もちろんですが、私が考え出したものではありません。 二十年来お付き合いのある 着物コンサルタント おふくさん(仮名)※推定年齢70歳以上 の指南なのです。 この方 一年の内365日 着物なのです。 体型は正方形 決して均整がとれているほうではありません。 なのに着物を着るととても美しいのです。 普通、標準寸法のままで仕立てたならばこうはなりません。 必要は発明の母なんて言われますが、 まさに、おふくさんが、自分自身美しく見えるように考え、試行錯誤の末に出した結論なのです。 私たち呉服店もそうした声には耳を傾ける他ありません。 実際そのように仕立てると綺麗に納まる訳ですから… もちろん異なる意見をお持ちの方もあろうかと思います。 それはそれで その方の感覚です。 むしろこうした事はあるひとつの正解だけではないのです。
でも、もしそうした寸法の悩みをお持ちでしたら 一度出入りの呉服屋さんにご自分の適正寸法を尋ねてみることです。 ある程度仕立てに付いて理解している呉服屋さんならば 必ず適切なアドバイスをくれる筈です。 もし、それでも解らなければ 弊店に遠慮なくお尋ねください。 よろしければ適正寸法をお教えいたします。 ただ、その場合の約束事が一つ、 決してサバ読んで過少申告をしないで頂きたいと言う事 きちんとした適正寸法を割り出すことが目的です。 3サイズや体重などをサバ読まれては何にもなりません。 お見合いの身上書に書く訳ではありません。 修正申告の必要のないサイズを初めからお知らせください。 少々のことでは驚きません。 私も正方形ですから。。。
【掲載画像について…】
こちら、型絵染作家/岡田その子氏による作品です。 作品そのものが美しいのはもちろんなのですが、とりわけこの美しさの“感性”にうっとりさせられます。
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