水流の「季・とき」折々・・・
「季・とき」折々… 2010年 12月06日(月)

□小さな訪問者
以前、このコラムでもお話したことのあるお嬢さん。 弊店のお向かいで中国料理のお店を営むKちゃんの一人ッ子のAさま。 現在8歳、女性、小学2年生です。 彼女がまだ3~4歳の頃、毎日のように弊店に遊びに来ていました。 平日は保育園から戻るやいなや、道を隔てた向かいの駐車場から「と~らさ~ん!」と叫ぶ。 忙しい時は聴こえないふりをしているのですが、粘り強い彼女は決してあきらめることはありません。 一時間でも二時間でも呼び続けます。 それでも尚、聴こえないふりを続けていると、声色は徐々に変わり、最後には「とら~~ッ!!!」と、いつしか「さん」は省略され、呼び捨て+絶叫となり、ついには捕まるのです。 いつも、どこの誰からも上から目線で見下ろされる私ですが、とうとうこんな8歳にまで…。
お店ではしばらくの間、お絵描き/折り紙などをして遊びます。 そのあとは、弊店の2階でかくれんぼの時間です。 疲れて応じないでいると「そんなんじゃ、わたし、もう遊びに来てあげないよ!」と高飛車に脅しにかかります。 保育園がお休みの日曜日は私がシャッターを開けるのを今かと待ちかね、開店と同時にご来店、まずはパンパンに膨れ上がった彼女のオムツの交換から1日が始まったものでした。(当然私の役目です。) お昼になると彼女のご両親が営む中国料理のお店に同伴出勤、私がランチを注文すると、彼女はマイ茶碗&マイ箸を持ってきて隣に座り、取り分けてあげたランチを一緒に食べます。 まるでクラブのおねーさんのようです。 食べ終わるとまた一緒に弊店に帰ります。 そんな彼女もやがて小学校に通うようになると、男性を見る眼が養われたのでしょう。 私のところにはあまり来なくなりました。
そのAさま、先日の土曜日に久し振りにご来店。 友人と遊びに出かける道すがら寄られたようです。 ドアに貼り付き、入口のガラス扉を指紋と顔の跡だらけにしながら「とらさん、猫ちゃんの絵描けたぁ~?」 声は聞こえませんが、クチの形で解ります。 以前、約束をしていたのです。 一か月以内に猫の絵を描くように言われていました。 Aさま、ちゃんと覚えていて受け取りに来たのです。 仕事にかまけ、すっかり忘れていた私、しどろもどろの子供騙しでなんとかその場は誤魔化しましたが、そのまま何もなかった事にしてくれる筈もありません。 日曜日、慌てて描き上げてお店に届けると、肝心の彼女はお出掛けで不在。 母のKちゃんに預けましたが、いまだ彼女からのお礼メールはありません。 まだ、携帯は持っていないのかしらん。
そんな情けない私でも、仕事において時折お客さまからお褒めに与ることもございます。 先日も東京にお住まいのお客さまから、以下のようなお便りを戴きました。
以下、原文のまま
「こんばんは。 江戸小紋は期待通り美しくエレガントな仕上がりでした。 選んでいただいた八掛は、落ち着いた穏やかな色目でしたね。 いろいろと心を砕いていただいて、ありがとうございました。 先日のお電話の件も、誠実に丁寧に対処してくださって、とても感謝しています。
足立さんがお忙しいのは、一人一人のお客様にこんなに丁寧に接しているからなのだろうと思いました。
お着物は、届いてからさっそく一度試着してみて、その後着物と帯を持って帯締めを買いに行きました。 私の心づもりでは、帯の中の一色であるライラックの同系色で合わせようと思っていたのですが、お店のご主人(たぶん)が選んだのは、私一人なら絶対に選ばないような色のもの・・。
その色が好きかと言われると、正直あまり好きではなく、どうしようかとかなり迷いました。
同系色で合わせれば確かに無難、上品でおとなしい印象になりますが、比べてみるとちょっとつまらない。 一方、店のご主人が選んだものは確かにピリッとしまる感じはします・・が、ちょっとスパイスが効きすぎのような気もして、玄人ごのみ?というのでしょうか。
さんざん迷った後、結局店のご主人が勧めるものを買ってきました。 ご主人いわく「これを締めて行ったら、絶対に皆さんに褒められますよ。ぜひ、そうしてもらいたい。」と。
そんなわけで、ちょっとドキドキの江戸小紋のデビューになりそうです。江戸小紋だけでなく、帯、帯揚げ、帯締めとすべて今回初めて着用するものです。私の中でエポックメイキングな日となるかもしれませんね。
帯は、以前足立さんが「こんな帯を合わせるととても美しいです」と教えてくださった、
「同じ文様が繰り返すタイプ」の白の錦地の袋帯です。 水流さんのHPのものはすべて売り切れでしたので、残念でしたが、たまたま私好みのものを見つけたので、購入しました。
必要なものはそろったので、あとは着付けがうまくいくかどうか・・これが一番心配です^^;
さて、これから半衿つけをしなければなりません。もうひと頑張りです。 明後日、どんな一日になりますか、乞うご期待?? では。」
以上、お客様のお名前は伏せさせて頂きましたが、他「」内はすべて原文のまま、ご紹介させて戴きました。 私の自画自賛のための自作ではありません。(笑) 翌々日にはご出席された際のご感想に添えてお写真まで拝見させて戴きました。 本当に美しく装って戴いておられ、お写真も公開させて戴きたいと思う程でした。 呉服商を営んでいて呉服屋冥利に尽きるのはまさにこんな時なのです。
先日は弊店の着付け教室の生徒さんのお食事会があり、皆さん、揃って着物でお出掛けになりました。 運転手を仰せつかった私は初めての電気自動車の運転で舞い上がり、お写真を撮るのをすっかり忘れてしまい、こちらのコラムでご紹介出来ないのが残念なほど。 皆さん、それぞれ思い々の装いで、おひとりお一人が絵にも描けない美しさでした。。。(言い過ぎ?)(笑)アハハ…。
※補足のように申し上げれば、その際、私がめずらしくお誉めに与った事は、着物のコーディネートとは何の関係もない、「車の運転、上手ね。」でした。 それはナニ?…+ 他に誉めるところが見付からなかったから、ってこと?…。
【掲載画像?に付いて…】
Aさまに命じられ、描き上げた絵?です。
商才、文才に加え、絵心までもない事が再度、あらためて判明しました。 残念…。
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